種子はコメ、コムギなど主要な穀物であるだけでなく、その他の作物を育てる場合の出発材料でもあります。種子の眠りと目覚めを様々な条件下で生理・分子レベルで解析し、そのしくみを適切に制御することによって気候変動でうまく発芽できない種子を助けられないか、また先端のバイオテクノロジーを使って種子の目覚めをコントロールできないかを研究中です。
種子はコメ、コムギなど主要な穀物であるだけでなく、その他の作物を育てる場合の出発材料でもあります。種子の眠りと目覚めを様々な条件下で生理・分子レベルで解析し、そのしくみを適切に制御することによって気候変動でうまく発芽できない種子を助けられないか、また先端のバイオテクノロジーを使って種子の目覚めをコントロールできないかを研究中です。
高収量かつ環境負荷の少ない農業を実現するためには、土壌固有の養分や水分の保持力を把握し、適正な栽培管理をすることが大変重要です。私達は地質学的な知見を考慮しながら、その土地の成り立ちを解明し、地域ごとの土壌の物理性、化学性の状態を明らかにし、その地域で利用できる作物栽培システムの構築を目指しています。
冬の寒さが厳しい北海道のワイン用ブドウ栽培では、しばしば凍霜害が発生し、ブドウの収量が低下したり、酷いときにはブドウの木が枯死することもあります。私達は、ブドウの凍霜害発生機構や季節的な耐寒性変化が起こるメカニズムを調べ、北海道の環境に適した凍霜害対策の確立を目指しています。
人口減少に伴う土地の放棄や温暖化対策のためのエネルギー開発など新たな局面を迎える日本では、これまでと異なった土地利用戦略が求められています。私達は、人の生活の中で如何に自然環境を活用しつつ保全するのかを検討し、生物多様性に配慮した土地利用戦略や人の生業を活かした新たな保全戦略の研究開発を行っています。
家畜のふん尿や生ゴミは作物育成に有効な有機肥料になります。しかし、不適切に管理すると逆に環境汚染の要因となってしまいます。そこで、適切なふん尿資源化と持続可能な循環システムを開発し、技能や技術を根付かせることも視野に入れた「環境と人にやさしい酪農体系」を構築したいと考えています。
河川水質を指標として、持続的農業と水環境の保全を両立可能な農林地流域の土地利用のあり方を考察します。また、国土の保全・防災に貢献する緑化の役割として、草本植物の根系を含む土層の力学的特性と斜面の保全について研究しています。こうした「水と土と緑の保全」をつなぐ次世代の人材育成(高大連携・環境教育等)にも積極的に携わっています。
急速な気候変動や人の移動の増加は、害虫の増加や花粉媒介昆虫の減少を引き起こし、作物の生産量を減らしてしまいます。問題をとなる昆虫の個体数を適正に維持するには、農業生態系においてこうした昆虫が他の生物とどのように関係するのかを知る必要があります。私達は昆虫の生態の解明で、食糧生産や生物多様性維持といった世界的な課題の解決に取り組んでいます。
植物と共生する有用微生物は、植物の生育促進や環境変動への適応能に大きく貢献しています。私達は植物への感染と共生のしくみを調べ、植物の生育や環境適応能の改良をはじめ、農産物の保存性やその付加価値の向上を目指した研究に取り組んでいます。
反芻家畜は微生物の力を借りて草を消化する際、メタンガスを生成しゲップとして大気中に放出します。食べたエサの10%程のエネルギーがこのメタンとして、牛乳や肉生産に使われないまま失われます。またメタンガスは二酸化炭素の25倍地球温暖化に及ぼす影響は大きいです。エサを工夫してゲップのメタンを減らし、エネルギー損失や地球温暖化を防ぐことを目指します。
日本ではホルスタイン種の雌牛の遺伝的改良により乳生産量が増え続けています。その遺伝的改良を担っているのは主に人工授精用の雄牛で、血縁関係やゲノム情報から遺伝的能力を数値化し、生産者との情報共有を進めています。現在は、乳牛の暑熱ストレス耐性の数値化、飼い方に応じた改良方法の開発など、日本の飼養環境に合わせた乳牛へと改良し、国内の酪農業の発展に繋げるための研究をしています。