畜産フィールド科学センターにおいて、令和3年度生産獣医療技術研修(WEBセミナー)を12月1日(水)、8日(水)、15日(水)、22日(水)の毎週1回4週間に渡って開催しました。新型コロナウィルス感染予防の観点から、昨年度に引き続いて今年度もリモートによるWEBセミナーとしました。
この研修は、平成22年度から社会人教育事業として開催しており、今年度は酪農生産現場における大きな課題である『乳房炎』をテーマに、乳房炎対策の基本を学び、発生の低減につなげるスキルの習得をめざした初級~中級編としました。北海道内から沖縄まで、全国各地の臨床獣医師や飼料・乳業メーカーの技術者等合計81名に参加いただきました。
研修内容は、「第1回 乳房炎の原因菌」、「第2回 泌乳生理と正しい搾乳」、「第3回 搾乳システムと乳房炎」、「第4回 乳房炎のコントロール」で、講習は毎回14時30分から17時までの2時間30分、いずれも草場准教授が講師を務めました。
受講後のアンケートでは、「乳房炎の原因菌を正しく同定し、それに応じた対策を行うことの重要性を再認識した」、「農場ごとに搾乳方法に違いがあるが、搾乳手順のひとつひとつに乳房炎防除のポイントがあることがよくわかった」、「搾乳システムの基本を学ぶことができ、乳房炎防除に必要な要因として知識を深めることができた」、「重箱の隅をつつくような指摘をするのではなく、全体を見渡して乳房炎の発生要因を見抜くことの大切さを知った」など、貴重な意見がありました。
研修を修了した受講生からは、乳房炎防除への取っ掛かりとして他の職員に受講を勧めるので、次年度以降も開催を希望する声が多くありました。新型コロナの感染拡大がおさまり、講義と実習を合わせた研修を再開できるようになれば、さらなる実践力アップにつながる研修会になると期待されます。