スタッフ

上川 昭博

准教授

研究テーマ

乳腺生理機能の基盤となる分子メカニズムを明らかにする。

My Dream

泌乳メカニズムを解明する

所属・担当

研究域 獣医学研究部門 基礎獣医学分野 機能学系

獣医学教育国際認証推進室 スタッフ

学部(主な担当ユニット)

獣医学ユニット

大学院(主な担当専攻・コース)

畜産科学専攻 動物医科学コース

研究分野 生理学
キーワード 乳腺, 泌乳, イオンチャネル, 発達, 射乳, オキシトシン

研究紹介

乳腺は哺乳動物を特徴付ける組織で、出産後の雌性動物でのみ「産仔にミルクを与える」という生理機能を発揮します。この機能発現には、「発達」、「乳産生」、「射乳」という3つの異なるイベントが複雑に関係しています。それらがどのように成り立ち、どのような制御を受けているか多面的に明らかにすることで乳腺生理機能の全体像に迫ろうと研究を進めています。

「発達」については乳腺間質脂肪組織が乳腺上皮細胞からなる導管や腺房の形態形成に及ぼす影響に着目して研究を行ってきました。

「乳産生」については、電解質液の分泌に焦点を当てています。乳中にはNa, K, Clなどの電解質が含まれており、それらの乳腺上皮細胞を介した分泌は水の分泌を伴うため、乳量や乳質の決定に重要であると考えられています。そこで、電気生理学的解析手法などを用いて、電解質の通り道となるイオンチャネルを探索しています。これまでに泌乳期の乳腺上皮細胞が有するいくつかの電解質透過性を明らかにしました。

「射乳」とは、腺房内に産生、蓄積された乳汁を乳頭方向へ押し出す反応で、オキシトシンという下垂体後葉ホルモンによる腺房周囲筋上皮細胞の収縮により生じます。この作用がどのように調節されているか明らかにするための研究に取りかかっています。
私の研究の直接的な目的は上記のような乳腺の「正常」な機能を明らかにすることです。しかし、正常な機能を支えるメカニズムの破綻や変動が、乳腺の病気(乳がんや乳房炎)や泌乳の不調につながります。将来的には基礎研究をベースに獣医療や畜産分野に貢献できるような応用研究へと発展させたいと考えています。

乳腺分泌細胞のパッチクランプ解析。電極(右)を細胞に接着させるところ。

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

  • 泌乳期乳腺上皮細胞の電解質透過性の解析
  • 実験動物を用いた射乳反射解析系の開発
  • オキシトシン誘発性射乳反射を制御する因子の探索
所属学会 日本獣医学会, 日本生理学会, 日本肥満学会
学位 博士(獣医学)
資格 獣医師
居室のある建物 総合研究棟1号館
メールアドレス akami atmark obihiro.ac.jp

卒業研究として指導可能なテーマ

  • 乳腺上皮細胞の電解質透過性に関する研究
  • オキシトシン誘発性射乳反応の制御機構に関する研究
  • 食事性肥満が乳腺発達や乳腺機能に及ぼす影響の解明

メッセージ

動物の臓器、組織、細胞は個体や種の維持のために、様々な生理機能を発揮します。その生理機能の基盤となる精巧な分子メカニズム、とりわけ乳腺組織の発達と機能に関わるメカニズムの解明に貢献すべく基礎研究を行っています。

乳腺は妊娠や出産に伴い、形態と機能をダイナミックに変化させ、泌乳機能を獲得します。ミルクを作り出せるようになるまでの乳腺発達はどのように調節されているのか?また、どのようにしてミルクが生成されているのか?という疑問に、分子生物学的手法や電気生理学的手法などを用いて挑んでいます。大学での基礎研究活動を通して、研究の進め方、論理的な思考法、得られた成果の発表方法などについて学んでいただけるでしょう。興味のある人は、気軽に研究室に話を聞きに来てください。