活動報告書(食品安全マネジメントシステム推進事業)

平成30年度活動報告

平成29年度活動報告

平成28年度活動報告

平成27年度活動報告

平成26年度活動報告

令和元年度活動報告

1.文部科学省採択プロジェクト分

(1)研修

①社会人向けHACCP構築研修3日間研修の実施

令和元年9月9,10,11日に十勝管内企業から13名が参加してHACCP構築専門家育成研修を実施しました。

渡辺信吾特任教授による講義

パン工房での危害要因抽出演習

②管理職・リーダーのための「コミュニケーションセミナー」を開催

令和2年1月29日に、株式会社知識経営研究所の坂田和則氏を講師にお招きし、食品安全・品質管理のマネジメントを確実に回すために必要なコミュニケーション力についてお話いただきました。

十勝管内の食品に関わる企業・団体の管理職・リーダー14名が参加しました。

③その他の研修

受講希望者が催行人数に満たなかったことや、コロナウイルス感染症対策のため延期としました。

(2)コンサルティング

北海道・十勝地区の食品加工・製造企業,酪農家等で北海道HACCP認証取得やHACCPシステム、ISO22000、FSSC、GAP、ISO9001の構築・認証取得を目指す企業や団体に対して支援を行いました。

①北海道HACCP構築     1件(酪農業 6次化)

②HACCP制度化対応     1件(菓子製造業、飲食店 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)

③FSSC22000構築       1件(食品加工業)

④ISO9001構築         1件(造園業)

⑤事故発生時の支援       4件(詳細公開不可)

(3)講演

①令和元年7月12日に北海道中小企業家同友会全道農業関連部会交流会inとかちにおいて、「GAP・  HACCP・ISOを用いた業務の見える化と経営理念を実現する組織づくり」をテーマに講演しました。

②令和元年8月31日に食品科学工学会第66回大会公開シンポジウムにおいて、「学生にHACCPを教える。その反応」の演題で講演しました。

③令和元年11月7日に雇用促進協議会研修で「食品安全、品質管理とは」を演題に講演しました。

④令和2年2月5日に中小企業同友会帯広支部で「食品安全や品質管理システムの現状とこれから」を演題に講演しました。

2.大学院カリキュラム・高大連携・共同研究等に関連する食品安全マネジメントシステム推進活動

(1)大学院生向け

食品安全に関する関連知識・技能、HACCPシステム構築研修(計8日間)

令和元年8月、9月に大学院前期学生に対し以下のHACCP関連教育を実施しました。

本学の「HACCPシステム構築研修」は一般的なHACCPシステム構築3日間研修と異なり、前提条件プログラムの解説を7原則12手順によるHACCPシステム構築演習の実施後に行っています。

これは7原則12手順でCCPやPRP管理対象工程を特定する仕組みを理解し、その後、具体的な前提条件プログラムの内容を解説する方がより理解が深まることが長年の講義経験から判明したからです。

この前提条件プログラムの解説は「座学と演習」で行われます。

座学では各種FSMSにおける前提条件プログラムの種類や要求事項の解説を行い、更に米国のFSMA対応を意識してPRPの中でも重要な工程を抽出し、管理方法を決定する手順等も(実際に管理プログラムを作成させて)解説しています。

演習では院生に自宅で洗浄した食器などを持参させ、洗浄効果をATP測定器で判定することや、温度計の校正、水道水の残留塩素濃度測定、次亜塩素酸ナトリウム殺菌水の残留塩素濃度測定、ブラックライトを用いた手洗効果の確認などを行っています。

この様に本学の「食品安全に関する関連知識・技能及びHACCPシステム構築研修」は院生が食品関連企業に就職した際に「即戦力」となれることを意識した内容に仕上げています。

令和元年度実施(選択科目)
内容 実施日
<食品安全に関する関連知識・技能>
1. 食品有害生物の基本、殺菌方法の理解 8月26日(月)
2. 食品衛生基本法、食品衛生法の理解
3. 食品衛生法施行条例(都道府県条例)の理解
8月27日(火)
4. 食品表示法の理解 8月28日(水)
5. 食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針の理解
6. 大量調理施設衛生管理マニュアルの理解
8月27日(火)
7. 設備・機械の保守管理計画立案、運用管理、記録作成方法の理解
8. 保守管理技能実習
  工具の管理・使い方、取り外し部品の管理方法等
8月29日(木)
<HACCPシステム構築>
1.危害要因の種類解説
2.HACCPシステムの概要解説
3.Codex食品衛生の一般原則の手順1~6:危害分析に必要な事前情報の収集及び製品説明書、フローダイヤグラム、施設図面等の作成
4. HACCP原則1:「危害要因分析」
5. HACCP原則2:「CriticalControlPoints(必須管理点)」の決定及び妥当性の検証
6. HACCP原則3~5:許容限界、モニタリング、是正措置方法の決定及び妥当性の検証
7. HACCP原則6~7:検証、記録方法の決定及び妥当性の検証
8.前提条件プログラムの解説
9.演習成果発表:構築されたHACCPシステムの総合評価
9月24日(火)
9月25日(水)
9月26日(木)
10.前提条件プログラムの解説
11.科学的な根拠による前提条件プログラム(演習)
12.理解度確認テスト及び修了証書授与
9月27日(金)

グループワークによるHACCPシステム構築演習の様子(通山客員教授:右手前)

 
(2)高大連携事業

令和元年8月21、22、23日に高大連携事業の一環として、帯広農業高等学校の食品科学科の生徒40名にHACCP構築専門家育成研修を行いました。

(3)よつ葉乳業株式会社との共同研究

よつ葉乳業株式会社と連携し,十勝、根釧地区の酪農家を対象に、ISO22000の認証取得に向けた構築支援及びISO22000:2018へのアップデート作業の支援を行いました。

①ISO22000:2018構築支援       1件

②ISO22000:2018へのアップデート   2件

3.その他の食品安全に係る活動

食品安全管理のスペシャリスト人材養成に関する意見交換会のメンバーとして活動しました。