帯広畜産大学 産学連携センター

帯広畜産大学産学連携センターCenter for Industry-University Collaboration, Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

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ニュース

2026年10月21日

令和8年度 帯広畜産大学 産学官金連携交流会 “大人のオープンキャンパス”を開催

企業等集積プラットフォーム産学官金連携

9月25日(金)に、令和8年度 帯広畜産大学 産学官金連携交流会 “大人のオープンキャンパス”を開催しました。

今回は、企業等集積プラットフォーム会員の皆さまの関心が高い「農畜産業現場におけるAI・デジタル技術の最前線」をテーマに開催しました。
とかち財団、十勝型フードシステム形成推進協議会の共催と、帯広市、十勝毎日新聞社の後援を受け、第1部の研究室訪問には31名、第2部の講演会には会場とオンラインで145名の皆様にご参加いただきました。

第1部:研究室等訪問

第1部の研究室訪問では、企業等集積プラットフォーム会員の皆さまを対象に、グループに分かれて学内の研究室等を訪問しました。

①平田研究室


AIを活用した食事・栄養管理アプリについて、実演を交えながら紹介いただきました。食事の写真からアプリが料理名や食材を認識し、栄養摂取量を記録する仕組みや、運動量などを基にカロリー収支や体重の変化を推定する機能について説明がありました。また、乳製品の摂取状況を把握するという研究目的や、日常の健康管理への活用の可能性についても紹介されました。

②中島研究室+水田見学


農業生産と生物多様性の両立を目指し、AIやIoTを活用した研究について紹介いただきました。研究室では、カエルの鳴き声をAIで判別する技術や、野外で使用する録音機やセンサーのデータをクラウドと連携させ、解析までをパイプライン化した流れなどを見学しました。また、構内に造成した水田の視察では、水位・水温の遠隔観測や灌水の遠隔操作、ドローンによる測量など、農業生産の環境や生き物の動きを把握するための取組について説明がありました。 

③共同利用設備ステーション 


共同利用設備ステーションでは、得字ステーション長が施設内を案内し、設置機器の種類や用途について説明しました。獣医・畜産学分野の機器を中心に、設備の更新・拡充や持ち出し可能な機器、学内外への開放、北見工業大学との相互利用などを紹介しました。参加者からは、学外企業による利用事例や利用手続きについて質問が寄せられました。

第2部:講演会

第2部の講演会では、6名の方にご講演いただきました。

基調講演: 「現場での活用を目指した道総研・工業試験場のAI・センシング技術の開発
       ~農水産業、食品製造業への応用展開~」
       本間 稔規 氏(北海道立総合研究機構 工業試験場 産業システム部 部長)

北海道立総合研究機構工業試験場が取り組むAI・センシング技術について、農水産物や食品製造現場への応用事例を紹介いただきました。近赤外分光によるトマトの糖度測定、サケフレークの小骨検出、ハイパースペクトル画像による異物検出など、具体的な開発事例が示され、技術の社会実装に向けた小型化・低コスト化の重要性や今後の技術展望についても紹介いただきました。

大学講演1: 「牧草地の状態をスマホで把握!ドローン・人工衛星とAIを活用した草地診断」
       川村 健介 准教授(環境農学研究部門)

草地管理の省力化と生産性向上に向けたAI・リモートセンシング技術について紹介いただきました。ドローンによる雑草検出やマメ科牧草の割合の推定、人工衛星を活用した植生診断などの研究成果が示されました。また、「宇宙から見てスマホで判断する」をキーワードに、診断結果を草地管理に活用する取組や、大学発スタートアップによる社会実装に向けた今後の方向性についてお話しいただきました。

大学講演2: 「離れていても牛の体調異常を知らせてくれる!
       ウェアラブル心電計を利用した乳牛のCaステータス予測システムの開発」
       伊藤めぐみ 教授(獣医学研究部門)       

乳牛の周産期に発生する低カルシウム血症を早期に把握するための、ウェアラブル心電計を活用した予測システムについて紹介いただきました。心電図から血中カルシウム濃度を推定し、危険域への到達を事前にメールで通知する技術や、十勝管内の牧場での実証成果が示されました。また、発症前の異常検知による乳牛の早期治療と、酪農現場の省力化への展望について解説いただきました。           

教員紹介ショートプレゼンテーション:
  • 「大規模畑作における無人防除システムの開発」
     藤本 与 助教(環境農学研究部門)

    大規模畑作における農薬散布の自動化・無人化に向けた研究について紹介いただきました。ロボットトラクタとブームスプレーヤを連携させた無人防除システムや、風向・風速を基に農薬の散布状況を可視化する技術、垂直型ソーラーパネルを設置した圃場での新たな防除方法など、十勝の農業現場を見据えた研究開発の取組についてお話しいただきました。

  • 「乳牛のフィールドにおける大規模データを用いた分析とその応用」
     石田 惠香 特任助教(生命・食料科学研究部門)

    酪農現場で蓄積された大量のデータを数学モデルで分析し、乳牛の生産性に影響する要因を調べる研究について紹介いただきました。特に、暑さによる乳量低下や個体差の分析を通じて、飼養管理や育種改良に研究成果を活用する取組についてお話しいただきました。

  • 「IoT技術を用いた生物と環境のモニタリング・獣害対策等への応用」
     中島 直久 准教授(グローバルアグロメディシン研究センター)

    生態系の保全と農業生産性の向上を目指し、AIやIoTを活用した研究について紹介いただきました。音声や画像データによる野生動物の生息状況や行動の分析、地域全体で農業被害を防ぐ仕組みづくりなど、具体的な取組についてお話しいただきました。
      (写真左から順に:藤本助教、石田特任助教、中島准教授)

第3部:情報交換会

第3部の情報交換会は、昨年に引き続き、構内の畜大生協前で開催しました。第2部講演会終了後、教員紹介ショートプレゼンテーションに登壇した教員の研究ポスターを展示するとともに、登壇者と参加者が分野や立場を超えて活発な意見交換・交流を行い、盛会のうちに終了しました。
 

 

交流会の参加アンケートでは、「教員紹介ショートプレゼンテーションはもっと長く聞きたかった」、「AIやIoTの最前線を知ることができた」、「専門外のお話でしたが視野が広がりました」、「これからも今回のようなオープンな会を開催してほしい」など、たくさんのご意見とご要望をいただきました。今後も地域における産学官金連携活動を推進する交流の場として、次回も皆さまのご参加をお待ちしております。

※今回のイベントの概要はこちら。

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