9月24日(水),「野生動物が媒介する感染症講習~鳥インフルエンザ編~」を開催しました。
本講習会は「野生生物保全管理技術養成事業」の一環として,野生動物がもたらす家畜との問題解決のための知識の向上を目的に,本学グローバルアグロメディシンセンター 武田 洋平 准教授,環境農学研究部門 浅利 裕伸 准教授を講師に迎えて開催し,オンラインにて129名が受講しました。
始めに浅利准教授より,鳥インフルエンザウイルスが世界中で鳥類だけでなく哺乳類への感染事例も確認されていることを説明いただき,日本で感染が報告されている野生動物のうち,鶏舎やその周辺に出現する具体的な種をご紹介いただきました。
次に武田准教授より,ウイルスの概要について,細菌との違いや構造などの基礎的な部分から鳥インフルエンザウイルスの概要や鳥インフルエンザがどのような感染症であるのかについてご説明いただきました。
野生動物間におけるウイルス循環の仕組みや過去の発生状況,鳥類以外の野生動物への感染事例も紹介した上で「野生動物のウイルス伝播リスクになることを認識しつつも,リスクを過大評価することのないよう情報をアップデートしていく必要がある」と講義を締めくくりました。
講義後には受講生から多くの質問が寄せられ,鳥インフルエンザへの社会的関心の高さがうかがえました。
受講生からは「ニュースで見る程度の知見しかありませんでしたが,ウイルスの構造や伝播の仕組みなど新たな知識に触れ大変有意義な講義でした。」「専門的な内容を簡潔な説明資料に基づいて受講でき,より具体的で高度な知識を深めることができました。」などの感想が寄せられました。