9月10日(水)から12日(金)の3日間にわたりフードバレーとかち人材育成事業の取り組みの一環として,ドローン活用コース「農業ドローン活用セミナー」を初めて開催しました。
本セミナーは,近年ニーズが増加しているドローン分野において,農畜産業で活用できるドローンの知識や技術について座学と実習を組み合わせて習得を目指します。
講師は,座学とパソコンを用いたデータ解析手法を帯広畜産大学環境農学研究部門 川村健介准教授,ドローン実技を操縦のスペシャリストであるレイブプロジェクト 請川博一代表が担当しました。
1日目,2日目は,午前中に機体の基礎知識や関連法令,農業分野での活用事例を座学で学習し,午後からは大学圃場を利用してドローン操作の実技講習を行いました。受講者が上下・左右の8の字飛行などの操縦を,一人ずつ指導を受けながら実践しました。
2日目の実技は,自動操舵機能を活用した農薬散布に関する操縦指示の設定や農薬の調整方法について,詳細に説明を受けました。さらに,請川代表による自社最大級の農業ドローンを用いた農薬散布のデモ飛行では,高精度な飛行制御と散布技術を披露し,受講生は最新技術の実践的な活用方法を間近で体感しました。実技講習の最後に請川代表は,十勝の広大な畑作地域における農薬散布について,「作業の正確性を確保しつつ,いかに短時間で効率的に終わらせるかが重要」と述べるとともに,近年のドローン事故増加に伴う規制強化を踏まえ,「安全を最優先として事故防止に努めることが不可欠」と強調しました。
最終日の3日目は,パソコンを用いたデータ解析実習を実施しました。専門ソフトウェアを使用して合成画像を作成し,放牧地のドローン画像から雑草を検出する方法を学びました。川村准教授は,「今回行ったプログラミングは,コードの意味や使い方が最初は難しく感じるかもしれないが,難しい統計の理論を学ぶよりはやさしいので,まずは繰り返し慣れていくことが大切」と述べました。
3日間の講習を終え,受講生からは「知識と技術両方が学べるとても良い講習だった。」「ドローンの使用だけではなく,活用するための手段を聞くことができた。」といった感想が寄せられ,有意義な講習となったことが伺えました。
講師の請川代表
ドローンを用いた実習の様子
講師の川村准教授
パソコン実習の様子