スタッフ

久保田 彰

教授

研究テーマ

食の安全やヒト・動物の健康を脅かす人工・天然化合物の有害性評価や毒性発現機構についての研究,ならびに希少動物の獣医療高度化を目指した種固有の薬物代謝・薬物動態に関する研究

My Dream

毒性学の立場から動物衛生・食品衛生・環境衛生の向上に貢献

所属・担当

グローバルアグロメディシン研究センター 獣医学研究部門

研究域 獣医学研究部門 基礎獣医学分野 機能学系

動物・食品検査診断センター 毒性分野

獣医学教育国際認証推進室 スタッフ

学部(主な担当ユニット)

獣医学ユニット

大学院(主な担当専攻・コース)

獣医学専攻

研究分野 毒性学, 環境毒性学, 生態毒性学, 薬物代謝学, 環境化学, 獣医学, 保全科学
キーワード 化学物質, 発生毒性, 発達神経毒性, 内分泌撹乱, 環境毒性, 薬物代謝, 薬物動態, シトクロムP450(CYP), 核内受容体, 感受性, オミックス, 有害性発現機序(Adverse Outcome Pathway; AOP), ゼブラフィッシュ, フェノタイプスクリーニング, 遺伝子ノックダウン・ノックアウト, 希少動物, タンチョウ, カビ毒

研究紹介

毒性学研究室では主に以下の課題に取り組んでいます。

  1. ゼブラフィッシュを用いた化学物質の有害性評価と毒性発現機構に関する研究
    畜産大学でなぜゼブラフィッシュなのか?と,疑問に思うかもしれません。ゼブラフィッシュは,脊椎動物モデル生物として発生学や医学における様々な研究に利用されています。さらにゼブラフィッシュは,藻類やミジンコなどと並んで,化学物質による生態毒性を評価するためのモデル生物としても利用されています。ゼブラフィッシュを用いる利点は,1)ヒトや哺乳類とゲノム相同性が高いこと,2)周年多数の卵を産出し,胚発生が早く発生期間を通じて体が透明なため臓器形成過程を容易に観察できること,3)遺伝子改変や遺伝子機能阻害を容易に行えること,などが挙げられます。
    殺虫剤,抗生物質,カビ毒,環境汚染物質などの化学物質に家畜が過度に曝露された場合,生産性の低下が危惧されるばかりでなく,家畜に濃縮した化学物質が畜産食品を介してヒトに健康被害を及ぼす場合があります。また,こうした化学物質に野生動物が曝露された場合,個体数の減少などを通じて生態系が撹乱されることも危惧されます。
    毒性学研究室では,多様な化学物質,とくに食の安全やヒト・動物の健康を脅かす人工・天然化合物の有害性評価や毒性発現機構についての研究をとおして,動物衛生や食品衛生,環境衛生の向上に貢献することを目指しています。
  2. 希少動物における薬物感受性評価法の確立と投薬への応用
    希少動物の獣医療では,薬剤の用法・用量がしばしば問題となります。これは,薬剤に対する感受性・反応に種差が存在し,他動物種で得られた知見を単純に外挿することが難しいためです。こうした問題を解決するための鍵は,種固有の薬物動態・薬力学に基づいた有効的な投薬プロトコルを考案することですが,投与実験や試料入手の困難さ故に,基礎情報となる薬物感受性を希少動物で評価することは容易ではありません。
    毒性学研究室では,動物園等の協力を得て,希少動物の肝臓における主要な薬物代謝酵素を異種発現させ,臨床現場で頻用される薬物の代謝や酵素阻害特性を調べることで種固有の薬物感受性を評価しています。さらに,そのデータを基に用法・用量を設定し,実際の傷病個体を用いた臨床応用により有効的な投薬プロトコルの考案を目指しています。
ゼブラフィッシュの成魚。毒性学研究室では、主にその受精卵を用いて化学物質の有害性評価と毒性発現機構について研究しています。
発生初期のゼブラフィッシュの正常個体(上)と、ダイオキシンを処置した個体(下)。ダイオキシン処置した個体では心血管毒性がみられます。
タンチョウ。種固有の薬物代謝・酵素阻害特性を明らかにすることで、タンチョウなど希少動物の獣医療高度化を目指して研究を進めています。

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

  • 小型魚類をモデルとした化学物質の有害性評価と毒性発現機構に関する研究
  • 希少動物の薬物感受性評価法の確立と投薬応用に関する研究
  • 化学物質感受性の種差に関する比較毒性学的研究
  • シトクロムP450の生理学的・毒性学的役割および発現制御機構の解明
  • 飼料用トウモロコシにおけるかび毒汚染の調査研究
関連産業分野 環境科学, 医薬品, 獣医学, 畜産
所属学会 日本毒性学会, Society of Toxicology, 日本環境化学会, 環境ホルモン学会, 日本比較薬理学・毒性学会, 内外環境応答・代謝酵素研究会, 日本環境毒性学会, 日本獣医学会, 北海道薬物作用談話会
学位 博士(農学)
居室のある建物 総合研究棟Ⅳ号館
メールアドレス akubota atmark obihiro.ac.jp

卒業研究として指導可能なテーマ

  • 小型魚類をモデルとした化学物質の有害性評価と毒性発現機構に関する研究
  • 希少動物の薬物感受性評価法の確立と投薬応用に関する研究
  • 化学物質感受性の種差に関する比較毒性学的研究
  • シトクロムP450の生理学的・毒性学的役割および発現制御機構の解明

メッセージ

本学の学生さんには,自然界・生命の現象に幅広い見識を持つということと,興味を持ったテーマを集中的に掘り下げること,この両面にバランスよく柔軟に向き合うことで,確固とした哲学を持ちつつ物事を俯瞰する能力を養ってほしいと思います。こうした努力を続けることで,毒性学に限らず様々な分野において,学際性・専門性の高い研究に取り組むための素地をつくることができると思います。

毒性学研究室ではとくに研究職志望の学生さんを歓迎します。生命科学的アプローチによる毒性学研究に興味を持った方であればユニットは問いません。「こういう研究がやりたいけどできるか」とか「研究者として将来海外で研鑽を積みたいけど何から始めたらよいか」などありましたら気軽にお問い合わせください。