センター紹介

センター長挨拶

 

人類の生活と国際社会の平和に「食料」は欠かすことができません。そのため,食料不足による貧困や飢餓,食品の安全性,家畜感染症の流行等「食」を巡る諸課題は,グローバル化が急速に進展する現在の国際社会において国境を越えた脅威として世界各国が取り組まなければならない重要課題となっています。

グローバルアグロメディシン研究センターは,獣医・農畜産学分野で最先端の研究業績を上げている世界トップクラス大学や開発途上国において農学分野の進展に真摯に取組む大学との国際共同研究機能を強化し,国際社会が協調して取り組むべき地球規模課題の解決に貢献することを目的として2015年4月に新設されました。グローバルアグロメディシンとは「食に関わる世界の諸問題の解決に資する研究を推進し,地球上の人・家畜・農作物・野生生物・環境を総合的に守る」意味の造語で,本センターの設置趣旨,活動ビジョンをこの名称に込めています。

本センターは,特に米国コーネル大学及び米国ウイスコンシン大学との大学間連携協定に基づき,所属教員を中心とした活発な人材交流を通して獣医農畜産融合の国際共同研究を推進するとともに,両大学が実施する先進的な教育プログラムの導入等を行います。これらの活動実績は,関係研究者間で国際共著論文として取りまとめるとともに,国際機関が主催する国際シンポジウムの場等で地球規模課題解決に資する研究テーマで発表します。

センター長
宮本明夫

センター概要

設置の背景

現代社会における国立大学は,各大学の強み・特色を最大限に生かし,自ら改善・発展する仕組みを構築すること(機能強化)により,持続的な競争力を持ち,高い付加価値を生み出す大学となるよう期待が寄せられています。このため帯広畜産大学は,日本で唯一の国立農学系単科大学として「世界トップレベル大学等との国際共同研究及び教育交流の推進」,「国際安全基準適応の実習環境による人材育成の推進」,「企業等社会のニーズに即した共同研究・人材育成の推進」の3つの戦略を柱とする機能強化事業「食と動物の国際教育研究拠点の形成」を推進しています。本センターは,この大学の機能強化事業を牽引するための中核的組織として2015年4月に設置されました。

組織の概要

本センターの目的は,帯広畜産大学及び海外の大学の研究者が結集して獣医・農畜産融合の国際共同研究を推進し,食と動物に係る世界の諸課題の解決に貢献することです。センター内には「獣医学研究部門」及び「農畜産学研究部門」を配置して,両研究部門に本学の教員所属組織である「研究域」,「原虫病研究センター」,「動物・食品検査診断センター」等から多くの教員が国際共同研究に参画できる体制としています。両研究部門では,農学分野の世界大学ランキングトップレベルにある米国コーネル大学及び米国ウィスコンシン大学との間で多様な共同研究を展開しています。また,教育面では,両大学の優れた研究者陣による講義・セミナーを企画・実施するとともに,米国で実施される教育プログラムに学生を派遣しています。

自己点検評価

本センターは,平成31年3月末で設置から4年を経過し,また,平成28年度からスタートした本学の第三期中期目標期間は,中間となる3年が終了しました。そこで,4年間の活動を振り返り(点検・評価を行い),本センターの組織運営の状況や目標・計画の達成状況等を確認して,今後のセンターの運営と活動の推進に資することを目的として,自己点検・評価を実施し,令和元年12月に報告書を取りまとめました。本センターの活動に係わる皆様にもこの報告書をご覧いただき,忌憚のないご意見をお寄せいただくとともに,今後とも一層のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。