毒性分野

動物衛生・食品衛生・環境衛生の向上を目指した
化学物質の毒性科学研究を推進しています。

毒性学研究室

殺虫剤,抗生物質,カビ毒,環境汚染物質等の化学物質に家畜が過度に曝露された場合,生産性の低下が危惧されるばかりでなく,家畜に濃縮した化学物質が畜産食品を介してヒトに健康被害を及ぼす場合があります。また,こうした化学物質に野生動物が曝露された場合,個体数の減少等を通じて生態系が攪乱されることも危惧されます。私たちは,食の安全やヒト・動物の健康を脅かす化学物質の有害性評価や毒性発現機構についての研究をとおして,動物衛生や食品衛生,環境衛生の向上に貢献します。

当分野で実験動物として用いているゼブラフィッシュの成魚。1匹のメスが1回に100個以上の卵を産みます。私たちは主にその受精卵を用いて化学物質の有害性評価と毒性発現機構について研究しています。
発生初期のゼブラフィッシュの正常個体(上)と,強毒性環境汚染物質として知られるダイオキシンを処置した個体(下)。ダイオキシン処置した個体では心臓周囲浮腫(図中➤)や全身血流の低下等の心血管毒性がみられます。