ごあいさつ

動物食品検査診断センター長
石井 利明

近年,腸管出血性大腸菌0157や烏インフルエンザをはじめとする新興・再興感染症,人獣共通感染症,大規模食中毒,食品偽装等「食」の安心と安全を脅かす深刻な問題が次々に発生しています。このような食の安全性を巡る危機的状況は,今日の獣医学教育・研究の動向に少なからぬ影響を与えております。本学においても,これらの問題の解決のために地域的特性や専門性に依拠した新たな検査診断の実施,ならびに教育の拠点形成のため,平成26年に動物・食品検査診断センターを立ち上げました。

本センターは我が国初となる獣医大学の動物・食品検査診断センターであり,平成29年にはISO / IEC17025の認定を取得し,正確な測定/校正結果を生み出す能力において厳しい審査基準に適合し認定を受けた試験機関です。その設置目的は“農場から食卓まで”の食の安全性を確保するために,家畜や食品の検査診断を行い動物衛生と食品衛生に寄与することで社会に貢献することです。

検査診断では,畜産物の生産から流通・消費に至る過程で発生または発生が予想される種々の問題に対処し,食の安全性確保に資する検査診断を行っています。また,教育では高度専門職業人育成に重点を置き,学部・大学院教育に貢献すると共に,社会人向けの食品安全に係る講習会を開催し卒後教育や社会人教育も行っています。

このように,本センターは食の安全性確保に資する検査診断を行うことで動物衛生と食品衛生に寄与し,また,食に係る高度専門職業人を育成し多くの優秀な人材を社会に輩出することで地域をはじめとする我が国の産業の発展に貢献したいと考えております。

今後とも,動物食品検査診断センターになお一層のご指導とご支援をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

平成31年4月