12月5日(金)、第11回 帯広畜産大学 産学官金連携交流会 miniを開催いたしました。
今回は、リクエストの多かった「農産物の未利用資源」、特に農産物のアップサイクルをテーマにした専門家による講演を開催いたしました。講演セッションでは、地域で発生する未利用農水産資源の把握・データベース化、評価、加工技術開発を通じた利活用促進の取り組みが紹介されました。会場とオンラインを含め、約60名の方にご参加いただきました。
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会場の様子(産学連携センター内) |
開会挨拶(産学連携センター 岡田センター長) |
講演1:「未利用資源活用コンソーシアムの取組み」 東 陽介 氏(帯広畜産大学 産学連携センター 副センター長/准教授) 地域未利用資源の量・質・季節性等を整理しデータベース化すること、それらを活用し資源活用希望者とのマッチングを促進すること、さらに大学の技術(成分分析や保存・評価技術等)を通じて産学連携による新たな未利用資源の高付加価値化等の共同研究創出を目指す取組について紹介されました。 |
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講演2:「十勝における未利用資源の活用例」 柴山進一 氏(株式会社コスモ 北海道工場 取締役 工場長) 製餡工程で排出される小豆煮汁を事例に、未利用資源回収時の体制整備によるコスト低減に向けた工夫や濃縮・粉末化による「あずきエキス」として製品化した事例を紹介。回収効率化や保存性向上、機能性成分の活用、安定生産体制の重要性についてお話いただきました。 |
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講演3:「農業未利用資源の食品へのアップサイクルの取組み」 宮下和夫 氏(北海道文教大学 健康栄養科学研究科長/教授) 未利用農水産物を発酵・粉末化・ピューレ化し、低環境負荷で高付加価値素材を創出する技術を紹介。農産未利用資源を使った野菜シートや魚油等の事例から、地域特性を活かしたアップサイクルと新市場形成の可能性についてお話いただきました。 |
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講演4:「未利用農産物の新しい市場を共創する」 林 直樹 氏(株式会社エーエスピー 代表取締役) 保存性向上や粉末・ピューレ化、急速冷凍により未利用農水産物を備蓄可能な原料へ転換し、新市場創出を図るモデルを他地域の多様な事例を交えながら紹介。地域拠点や就労支援、防災食・健康食品との連携についてお話いただきました。 |
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交流セッション 講演後の交流セッションでは、帯広畜産大学で実施中の地方大学・地域産業創生交付金等産学連携活動の取組み紹介の後、講演者と参加者が活発に意見交換を行い、未利用資源の利活用に関する課題や展望について議論が深まりました。初参加の皆さまも多く、貴重な交流の機会となりました。 |
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イベント終了後の参加者アンケートでは、「未利用資源を有効活用する具体的な道筋をご紹介いただき大変参考になりました」、「商品開発のストーリーなども聞けて面白かった」、「今後、未利用資源の加工を検討するときに連携していきたいです」などの声が寄せられました。また、交流会miniで実施してほしいテーマとして、5回目の「未利用資源の活用」を含めて、機能性食品・農業環境・エネルギーなど他分野に関心をお寄せいただきました。
最後に、今回のイベントの開催にあたり、ご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
次回の開催でも、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※今回のイベントの概要はこちら






