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フードバレーとかち人材育成事業 特別講習 農業関連セミナー1「十勝第作物の可能性について」を開催しました

8月19日(火)にフードバレーとかち人材育成事業の取り組みの一環として,農業関連セミナー第1弾「十勝第5の作物の可能性について」を開催し,本学環境農学研究部門 秋本正博准教授を講師に,対面とオンライン合わせて40名が受講しました。

はじめに,十勝では広大な農地を活かして,小麦・甜菜・豆類・馬鈴薯の4品目を中心とした輪作が行われており,これらの作物は日本一の生産量を誇ることなど十勝の農業のあらましを説明しました。

一方で,十勝の食品製造業の「付加価値率」が非常に低く,ほとんどの作物が加工されずに地域外に出荷されているため,十勝地域においてバリューチェーンが十分に構築されていないという産業構造の課題について触れました。さらに,十勝の農業が近年の社会情勢や自然環境の変化により維持が困難になりつつあるとし,従来の量を作って量を売る戦略から高収益が見込める換金作物への転換を行い,地域内でのバリューチェーンの構築が求められていると述べました。

そこで,バリューチェーン創出が期待できる作物の条件を紹介し,その一例として,近年の気温上昇によって十勝でも栽培が可能となってきた落花生を取り上げ,地域企業や農業者と実施したプロジェクトの内容について紹介しました。

さらに,加工用イネ「陸稲」やパスタに利用する「デュラムコムギ」,長稈型(ちょうかんがた)飼料作物「ソルガム」等の導入の可能性についても紹介しました。

最後に,「社会や環境が変革する今,生産者や消費者が自らの立場に応じた選択肢を広げることが重要。興味がある植物がありましたら大学での研究等,様々な関わり方が可能なので,お声掛けください。」と呼び掛けました。


講師の秋本准教授


セミナーの様子