グローバルアグロメディシン研究センターでは,国際共同研究推進のための大学院生派遣プログラムを実施しています。本プログラムでは,米国コーネル大学または米国ウィスコンシン大学に大学院生を派遣し,本学との間で行われている国際共同研究に参画することにより,世界トップレベルの研究機関における研究活動の機会を提供しています。
今秋,約1カ月間ウィスコンシン大学マディソン校に派遣された川村野乃花さん(博士前期課程2年)と矢野琳太郎さん(博士後期課程2年)による帰国報告会が,12月12日(月)に行われました。
宮本センター長によるプログラムの紹介の後,Department of Animal Scienceに派遣された川村さんによる報告がおこなわれ,比内鶏の卵形質および遊離アミノ酸の遺伝率の推定と因果構造解析について紹介しました。良好な結果を得るためには,残差分析をはじめとする統計解析の手法を駆使した生データのプレスクリーニングが必須であることを,実体験として学ぶことができたそうです。滞在期間中には様々なアクテビティに積極的に挑戦したり,Thanksgivingパーティーに参加したり,世界各国の方との交流ができたことについて,お話がありました。
次に,Department of Bacteriologyに派遣された矢野さんの報告がおこなわれ,輓馬の腸内細菌叢のメタゲノム解析について説明しました。輓馬の疝痛を引き起こす原因として,腸内でデンプン資化性酵素の産生に関わる細菌群が増えている可能性を明らかにし,その予防に役立ちそうな細菌群を絞り込むことができたそうです。また,渡航前のおすすめの勉強方法や,滞在先では友人とともに,様々なレストランで現地の食事を楽しんだことを,写真や動画とともに紹介しました。
質疑応答では,学生および教員から,それぞれの研究に関する質問だけではなく,マディソンでの生活について,多くの質問が寄せられました。なかでも,滞在中の宿泊費や生活費に関する質問が多く,来聴していた学生には,川村さん,矢野さんからそれぞれ具体的なアドバイスがありました。
最後に,福田農畜産学研究部門長から,「2人とも,帰国直後でモチベーションが高まっており,熱が伝わってくる報告会だった。現地では積極的にいろいろなことに参加し,渡航前から大きく成長していることがよくわかった。プログラムへの参加を考えている学生さんには,是非参加を検討していただきたい。」とお話がありました。
現地での研究内容や生活について報告をする川村さん(左)、矢野さん(右)
講評をする福田農畜産学研究部門長(左)、報告会の様子(右)