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コーネル大学 Cheong先生の特別講義を開催

滄木 孝弘

 コーネル大学のCheong先生が来学し,本学共同獣医学課程5・6年生を対象に講義を開催しました。また,コーネル大学における臨床教育の事例について,臨床教員を対象としたセミナーを開催しました。

 

 コーネル大学のSoon Hon Cheong先生が来学し(7/31〜8/10)、全5回の特別講義を開催しました。Cheong先生は生殖医療の専門医であり、コーネル大学の動物病院では、様々な動物種の生殖医療に携わっています。

 特別講義1と2では、本学の臨床教育の中で学生が体験することが難しい「犬の難産」、「馬の難産」についての講義を行いました。依頼主からの稟告(りんこく:申し出)の聴取、現症の判断、診断の手順、経腟分娩の補助から帝王切開に至るまでのプロセスを実用的な数値や実例を交えた説明がありました。

 特別講義3と4では「雌犬における異常浸潤性胎盤が原因で生じた子宮穿孔」、「雌犬における子宮内膜のプロジェステロン受容体欠損症」、「雌子馬で認められた顆粒膜細胞腫」および「雄牛に認められた包皮破裂」という非常に珍しい症例が紹介されました。

 特別講義5では臨床教員を対象に、コーネル大学の臨床教育システムに関するセミナーをしていただきました。動物病院の構成(専門科や専門医など)、基礎科目と臨床科目の関係性、アドバンスト科目、参加型臨床実習(Clinical rotation)、研修医教育(Residency programs)について概要説明がありました。

 受講した学生からは質問や感謝のコメントの他、再来学してほしいという意見もありました。世界的にトップクラスの動物医療に携わっている専門医による講義を本学の獣医学教育の中に体系的に取り入れることで、臨床教育の質は確実に向上するものと感じました。

特別講義の様子1

特別講義の様子2