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フードバレーとかち人材育成事業 特別講習 農業関連セミナー第1弾「生物多様性と農業」を開催しました

7月30日(木),フードバレーとかち人材育成事業の一環として,農業関連セミナー第1弾「生物多様性と農業」を開催し,対面とオンライン合わせて18名が受講しました。講師は,本学環境農学研究部門の赤坂卓美准教授にご担当いただきました。

はじめに,日本は山地が多く,農地と野生生物の生息域が近いため,農業と野生生物との間にさまざまな軋轢(あつれき)が生じやすいことについて解説されました。特に北海道では,エゾシカによる農業被害が多く発生しており,ヒグマやカラスなどによる被害も含め,事例を交えながら紹介されました。

続いて,農業被害は特定の野生生物の増加だけが原因ではなく,気候変動や人口減少・高齢化に伴う農地管理の変化,野生動物の個体数や生息域の拡大など,複数の要因が複雑に関係していることが解説されました。対策を考える際には,被害を引き起こしている動物を正確に把握することの重要性にも触れられました。一方で,野生生物は農業に被害をもたらすだけではなく,鳥類やコウモリが害虫を捕食するなど農業に有益な役割を果たしていることについても紹介されました。さらに,緑肥作物の導入にも触れられ,緑肥が土壌改良だけでなく生き物の生息環境を生み出すことで,周辺の畑の状態が改善し,結果として生産性向上に寄与する可能性があることが示されました。

最後に,農業と野生生物を対立するものとして捉えるのではなく,「どちらが大事か」ではなく「どちらも大事」という視点を持ち,両者の共存について考えることが重要であると述べられました。

受講生からは,「シカやクマなどの農業被害はよく聞いていましたが,それ以外の動物による被害内容や今後の共存方法など,海外の事例も含めて講義いただき,有意義な時間となりました。」といった感想が寄せられました。


講師の赤坂准教授


セミナーの様子