VOICE 2017
食品科学専攻

矢内 理絵

Yanai Rie

大学院畜産学研究科 食品科学専攻2年2015年3月 畜産科学課程卒業群馬県立前橋女子高等学校出身

学部時代に腸内で善玉菌を増殖させるイヌリンを扱っていたことから,大学院でも「サトウキビの搾りかす(バガス)による腸内環境改善」の研究に取り組んでいます。バガスは燃料以外に用途がなく,大半が廃棄されている現状です。一方その成分には,オリゴ糖や食物繊維が豊富なことが分かっています。1年目は試験管レベルの微生物培養実験で,バガスの発酵特性を調べました。腸内環境を再現する機械を用いた実験では,「方法を間違えたかな?」と思うほど大腸菌が減ったのです。つまりバガスが善玉菌の成長を促し,悪玉菌の成長を抑える短鎖脂肪酸を増やしたため,腸内環境を改善したと想定できます。2年目はラットを用いた生体内実験を夏に向け予定。同じく善玉菌が増えると期待しています。めざすのは人の健康に役立つバガスの商品化です。進路は化粧品会社や食品メーカーを希望。周りにアトピーで悩んでいる人が少なくないため,腸内環境の改善で身体の内側から治す手立てを見つけたいと考えています。

所属や肩書はインタビュー当時のものです。

掲載日: 2016年4月