学部時代は雌牛の卵管の中で免疫細胞(好中球)が,精子に対しどう対応するか研究していました。白血球の一種である好中球は通常なら異物を攻撃するのに,精子はなぜ生き残り受精に至るのか?大学院でも引き続きこのテーマを研究しています。好中球は自身のDNAを紡いで網状に放出し細菌を捕獲。その反応が,精子と病原菌に見立てたビーズとではどう違うのかを調べています。好中球には多面的な機能があるのではないか?逆に受精を助けているのではないか?という仮説を立てて研究していますが,実験を重ねても疑問が次から次へ。基礎の基礎ともいえる研究ですが,色々な可能性を秘めた重要なテーマだと自負しています。好中球の働きが解明されれば,人間にも転用できる研究です。在籍する研究室は半分が海外からの留学生。英語は苦手でしたが研究を通して議論を重ねるうちに,今では普通に会話ができるようになりました。将来はここで培った知識,加えて英語力も生かせる仕事に就きたいと考えています。
所属や肩書はインタビュー当時のものです。