高校2年生のとき「肉は貴重な命なのに廃棄される部分も多い」と気づき,肉の有効活用をめざし畜大に入学しました。学部時代は肉の味わいに脂肪酸の一種,オレイン酸が関わっているのかを研究。対象は清水町で限定生産されているホルスタイン種『十勝若牛®』で,通常より若い月齢で出荷するためジューシーでやわらかい赤身肉が特徴です。企業で毎日行われる肉の食味試験と画像解析結果,生産履歴情報に脂肪酸組成のデータを加えて調査。結果,十勝若牛は赤身肉のため,オレイン酸は食味に関連がないと結論づけました。大学院でも研究対象は十勝若牛です。従来の画像解析結果と食味試験結果,生産履歴情報に投薬履歴を新たに加え,味わいの客観的評価を調査。現在,肥育農家さんから借りた千頭以上のカルテを整理中です。研究では固定観念にとらわれず,色々な視点からデータを分析するよう心がけています。また大学院は留学生が多く,バイリンガルになれる環境。ここで畜産業に貢献できる知識を深め,英語も修得しようと思います。
所属や肩書はインタビュー当時のものです。