学部時代,「エゾモモンガの季節による繁殖パターンの相違」を調べました。エゾモモンガは春と夏の2回繁殖を行いますが,夏の方がより産仔数が多い結果に。でもその原因を究明するまでには至りませんでした。そこで院では「産仔数は生息環境により変化するのか」をテーマに取り組むことに。
富良野市の天然林内に環境の異なる調査区を2カ所設定し,一区につき60個の巣箱を掛けます。場所はトドマツ林,もう一方は広葉樹林。さらにチームを組み月に1度,野外調査で巣箱にいる仔モモンガの数を2日かけて確認します。秋までに調査を終え,5カ月分×2年間のデータをまとめる予定です。野外調査は大変な面もありますが,思うようなデータが取れたときの喜びは格別。巣にいる仔の可愛さはなんとも言えませんね。予測としては広葉樹林のドングリ等がある栄養環境が,産仔数に好影響を与えているのではと考えています。畜大ではモモンガ以外にも幅広く野生動物を学ぶことができました。将来はその視点を生かし,自然のなかで生き物が共存していける社会づくりに貢献したいです。
所属や肩書はインタビュー当時のものです。