家族に誇れるものづくりを続けていきたいと思います

丁野 杏奈

Chono Anna

味の素食品北海道株式会社(旧 北海道クノール食品株式会社) 経営企画部 開発グループ 2008年3月 畜産科学科 植物生命科学ユニット卒業 2010年3月 畜産環境科学専攻 修士課程 修了 千葉県立東葛飾高等学校出身

畜大を選んだ理由は何ですか

子供のころから生き物が好きで,大きくなったら動物園の飼育員になりたいと思っていました。高校生のときに生物の奥深さと面白さを教えてもらい,大学でもっと生物の勉強がしたいと感じました。そんななか,自然豊かなキャンパス内で実習が多く実学を重視する帯広畜産大学を知り,知識だけでなく幅広い経験が得られる最適な大学であると感じ,帯広畜産大学を選びました。

ユニット・専攻を選択した理由を教えてください

大学で様々な分野の勉強をするうちに,生物は遺伝子の発現によってコントロールされ,その遺伝子を理解することで生物のあらゆる現象を説明できるということに驚きと感動を覚え,深く学びたいと思ったのがきっかけです。
さらに恩師である加藤清明先生の「ゲノム解析により食糧問題の解決をめざす」という熱い思いに共感し,畜産環境科学専攻へと進みました。

畜大で学んで,現在役立っていることを教えてください

大学時代に得た,わからないことは徹底して調べ,仮説を導き出し,検証方法を考え,実践するという考え方は,現在でも同様でとても重要だと感じています。
また,論文作成や学会発表を通じて学んだ「成果をわかりやすく伝えるスキル」は,社内の報告会やポスター作製の際に役立っています。

現在の仕事を志望した理由は何ですか

大学では遺伝子レベルにおける植物育種学を学び,卒業後は十勝の農業や生産者を支える仕事をしてきました。
そのなかで,当社のコーンパウダーにおけるこだわりである,原料コーン品種の選定から契約農家での播種から収穫までの徹底した管理,そして最もおいしい時に収穫されたコーンをその日のうちに加工し,お客様へお届けするという姿勢に感銘を受けたことがきっかけです。
さらに,当社で働くことで「農場から食卓まで」の幅広い視野を持った人材へと成長できると思ったことが志望の理由です。

仕事内容を教えてください

当社は,クノールカップスープの原料となるコーンパウダーの製造を主とする素材生産会社です。北海道の契約農家が栽培した新鮮で美味しいトウモロコシを,素材の味をそのままにパウダー化するというこだわりをもって生産を行っています。
また,コーンパウダー以外にもクルトンやエキスなど農畜産物を原料にした,クノールスープの素材をつくっています。そのなかで私が担当する開発業務は,工場支援や新製品の工業化対応を主に行っています。

大変だと感じるのはどんなことですか

現在担当する業務では,今あるものの改善や新しいものの提案をしなければなりません。
これまでにやったことがないことをやることは簡単ではなく,思い込みで進めたり,逆に,自分の考えを持たずにただ言われた通りに進めてしまったりしたことも多々あり,その度に物事がうまく進まず悩みました。
そんなときは上司に相談するようにしています。

やりがいを感じるのはどんなことですか

私の子供たちは自社原料を使ったカップスープが大好きで,飲むと必ず「おいしい!」と言ってくれます。
また,入社当時に携わったブイヨンを使ってスープを作ったところ,いつもは嫌いな野菜をたくさん食べてくれました。
こんなとき,うれしさとともに仕事へのやりがいを感じます。これからも家族に誇れるものづくりを続けていきたいと思います。

今後の目標を教えてください

近年,長雨や台風の襲来など,環境変化が著しいと感じます。また,それに加え,品種改良によって寒冷地である北海道が国内トップクラスの稲作地帯へと変化を遂げたように,北海道の農業自体も変わりつつあると感じます。
私たちの生産するコーンパウダーも例外ではなく,生産者や消費者に選ばれるものを作り続ける必要があります。
そのために,変わり続ける環境に柔軟に適応できる原料の技術開発を行うことで,北海道から安心安全なものを安定的に供給し,より多くのお客様を笑顔にする仕事をすることが目標です。

後輩になるあなたへ

私は大学で自ら学ぶことの楽しさを初めて知りました。
大学は将来につながる知識やスキルが得られる場所ですが,自ら率先して追い求めなければ手に入りません。目標が決まっていなくても,楽しいこと,興味のあることから積極的に学んでみてください。自ら得たものは,必ず将来の糧になります。

味の素食品北海道株式会社

 北海道河西郡芽室町西9条7丁目1

インタビュー内容は、旧社名時のものです。

掲載日: 2019年4月