農用タイヤ

タイヤは車両と路面の間で接地し,車のエンジンから伝わってくる力を路面で反発することにより車両を前に進めます。アスファルト等の硬い舗装路面で使われる乗用車用のタイヤは,乗り心地がよくて,直進性がよくて,音が静かで,という性能が求められます。ところが農業用のトラクタタイヤは,舗装路面ではなく畑や田んぼ等軟らかい土の上を走ります。あるときは,どろどろの土の中を走る必要があります。そのため乗用車用のタイヤには見られない「ラグ」といわれる大きな突起がついています。トラクタタイヤで一番求められる性能は,このラグがしっかりと土に食い込み土の表面を固めながらも土の中に深く沈みすぎることなく,しっかりと反発力を受けて前に進むことです。トラクタは様々な機械を引っ張って作業しながら進むので。とても大きな力がいるのですが,その性能はエンジンの強さだけではなく,土と機械の間で働くタイヤによるところが大きいのです。単純な形をしているように見える「ラグ」の形をどのように決めるとベストであるかはなかなか深い研究テーマなのです。

この文を書いた人 岸本 正 教授
所属 研究域/環境農学研究部門/農業環境工学分野/農業環境工学系