メラノーマ

夏の日差しを浴びると,肌が黒くなりますね。日焼けする,といいますが,人間の体はとてもよくできていて,太陽の紫外線から「体を守ろうとして」,メラニンという黒い色素をたくさんつくり,皮膚表面に配って歩くので,肌が黒くなります。この黒い色素をつくる細胞のことを,メラニン産生細胞,あるいはメラノサイト,といいます。

動物,とりわけ犬においては,このメラノサイトががん化してしまうことが多いのです。とくに悪さをするようになってしまったものは「メラノーマ(悪性黒色腫)」と呼ばれます。犬では口腔内にできることが多いのですが,皮膚にできるよりもとても悪性で,転移したり,再発したり,また予後もきわめて悪いのが特徴です。なぜ,口腔内にできやすいのか?なぜ,悪性なことが多いのか?わからないことだらけです。

治療法についても,本当にいろいろな研究がされています。ヒトでは最近,分子標的薬という画期的なクスリが注目されてきていますが,犬のメラノーマに対しても同様の研究が進んでいて,少しずつ臨床応用されてきています。でも,まだ,治せない。どうやったら治せるようになるのか,1歩ずつ,ひとつずつ,日夜研究を進めているところです。

この文を書いた人 富張 瑞樹 准教授
所属 グローバルアグロメディシン研究センター/獣医学研究部門研究域/獣医学研究部門/臨床獣医学分野/伴侶動物獣医療学系動物医療センター/伴侶動物診療科
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