栁川 久 教授 YANAGAWA Hisashi

My Dream人間と野生動物とのより良い関係での共存

研究テーマ人間の生活・生産と野生動物の存在との両立

研究分野

哺乳類学, 鳥類学, 野生動物管理学

キーワード

リス・モモンガ, 希少動物の保護, 害獣の防除・駆除, 河畔林と防風林, ロード・エコロジー, 環境教育

卒業研究として指導可能なテーマ

卒業研究の受け入れはできません。

メッセージ

私が動物の研究者を目指すと心に決めた小・中学時代は日本の高度経済成長期にあたり、公害や高速道路、ダム、ゴルフ場などの開発ラッシュで、野生動物は追いつめられ、滅びてゆく守るべき対象でした。私が赴任したころは、保護や保全に関するテーマが多く、学生の嗜好もそのような研究に関してでした。ところが近年は、少子化等に伴う人口の減少、高齢化、都市への集中などによって人の力が弱まり、これまで追いつめられていた野生動物の逆襲(?)が始まりました。それに従い、研究テーマも有害動物の防除や駆除に関してが多くなり、学生もそのようなテーマを目指す人が増えています。今、大切な事は、そのどちらにも対応できる人を育てる事だと思っています。

学位 農学博士
自己紹介

山口県岩国市出身。北海道の広大な大地で、野生動物の生態を研究したくて、帯広畜産大学に進学。以来、大学院の6年間を福岡・博多ですごした他は、三十数年間、北海道とかちで暮らしています。

居室のある建物総合研究棟Ⅱ号館
メールアドレス yanagawa atmark obihiro.ac.jp

所属・担当

研究域環境農学研究部門/環境生態学分野/環境生態学系
学部(主な担当ユニット)環境生態学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)畜産科学専攻環境生態学コース

研究紹介

学部の学生時代は日高山脈のペテガリ岳にこもって主にネズミの研究をしていました。通算50日以上の山ごもりで、クマにあったり、崖崩れにあったりでいろいろとスリリングな経験をしました。大学院時代の6年間は一転して、電子顕微鏡を使った細胞の機能形態学というそれまでと全く異なった修士・博士研究でしたが、研究の面白さに没頭できました。帯広に出戻って、さて何を研究しようかと考えている時、どうしてもモモンガの研究をしたいという学生がいて、それにつき合ってるうちにもう30年もモモンガの研究を続けています。
以来30年以上、現在までに人間の生活・生産と野生動物の共存という大きなテーマのもと、多くの卒論・修論・博論生とともに様々な動物を研究してきました。扱ったテーマも、モモンガ・リス・ナキウサギ・コウモリ類などの小動物の生態と保全、エゾシカの農業被害対策とロードキル防止、河畔林を利用する動物の移動と多様性、耕地防風林の動物の生息地としての評価、動物園動物の福祉と環境教育等さまざま。関わった動物もヒグマ、エゾシカ、キツネ、タンチョウ、ワシ・タカ類、そして動物園のトラ・ヒョウやキリンと雑多です。

学歴・職歴 1982年 帯広畜産大学 畜産環境学科 卒業
1985年 九州大学大学院 農学研究科博士前期課程 修了
1988年 九州大学大学院 農学研究科博士後期課程 修了
1988年- 現職