| 生物リズム学概論
B概日リズムと環境適応
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生物リズムの意義は、この問題の最も熱狂的な研究者が期待し続けてきたよりも、はるかに超えたものとなるだろう。
それは、生物時計が物質の無機的機能と生物学的機能との間の明確な絆を構成するからである。
したがって、生物リズムの本性を理解することは、生命自体の創生をより深く理解することにつながる。
(JT Fraser, The Genesis and Evolution of Time,1982)
(自然界における5つの時間、道家達将・山崎正勝監訳を改変)
準備中
(6月中に完成予定に延期!)
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講義レジュメ(98年度はだいたい第8講目)
(1)歴史的起源について
光損傷に対する防衛と概日リズム
@光を吸収するとはどういうことか
A光増感剤
植物の光増感物質は,われわれよりも,家畜に対して,より重大な影響力をもつ.光増感物質を含む植物としては,オトギリソウや,ある種のマメ科の植物や,ソバなどがある.放牧動物の肝臓が正常に機能しないと,摂取した大量のクロロフィルを完全に消化することができなくなる.クロロフィルの分解産物は,血管から皮膚に運ばれ,そこで強力な光増感剤としてはたらく.どのような光増感剤であれ,それが皮膚に到達すると,あまり毛のない部分,たとえば,耳,鼻,唇および,目,乳房,乳首の局辺が,かゆくなったり,炎症をおこしたりする.ときには,動物を強光にさらすと.即座に意識不明に陥ったり死んだりすることもある.光増感物質は,光のあたるときだけ有害な作用を及ばすので,家畜小屋にいる動物は,そのような危険にさらされることはない.いくつかのセリ科の植物(オランダボウフウの野生種,ニンジンの野生種,オオブタクサなど)は,きわめて強力な光増感剤である,フロクマリンという物質を含んでいる.過敏な人は,このような植物に触れた後に陽にあたると,皮膚に発疹ができる.
飲み薬を含むさまざまな薬剤も,皮膚を光に過敏にする.スルファニルアミドや他のサルファ剤は,一種の日焼け増進剤である.過敏な人は,非常に弱い光の下でも,皮膚障害をおこす
一方,遺伝的なポルフィリン症(これは光感受性ではない)は,ヨーロッパの王家を代々むしばんできたが,これは疑いなく極度の同族結婚が原因している.ポルフィリン症の君主が,大きな成功を収めることは,めったになかったようである.ポルフィリン症について述べるついでに,彼らの不幸な生涯のいくつかを,筒単に述べてみよう.ポルフィリン症に侵されたことが知られている最初の王は,マリー・スチュアートで,彼女は,1587年に死刑を執行された,彼女の息子ジェ一ムス1世もこの病にかかり,亡命先で死んだ.その後の5代は,ポルフィリン症にかからなかったが,つぎのジョージV世は,またもこの遺伝疾患に苦しんだ.彼は長期間政務から離れざるを得なくなり,彼の統治時代に,イギリスはアメリカの反乱に敗れた.いわゆるジョージV世の"狂気"は,すぺてポルフィリン症によるものであり,事実,彼は,時々耐えがたい苦痛におそわれたことが知られている.ポルフィリン症患者でありながら,真の成功を収めた唯一の王は,天賦の才を誇ったフレデリック大王で,彼はプロシアを強国にし,かつ,政務のかたわら,詩人として,また哲学者としても有名になった.
B核酸
で、例えば米国NIHによるWhat is DNA repair?(哺乳類です、がんや老化との関連についても解説してあります)とか、DNA修復の分子メカニズムについては DNA Repair in Three Dimensions(「蛋白質の構造と機能」パール教授講義ノート)など。
C光損傷に対する防衛と概日リズム
この二つの知見を結び付けると、次のような推論が可能である。
活性酸素障害に対する防衛と概日リズム
シアノバクテリアによって酸素発生型の光合成が行われるようになって、酸素毒(活性酸素、酸素ラジカル)が大きな淘汰圧になったと考えられています。過剰の光エネルギー(電子の運動エネルギー)は直接的にも細胞成分を損傷させますが、酸素の存在下では活性酸素を生ずることによっても有毒作用を発揮します。また、酸素呼吸においても活性酸素が発生します。
@活性酸素障害とその防衛システム
A活性酸素障害に対する防衛と概日リズム
Bシアノバクテリアの概日的ニトロゲナーゼ能リズム
まとめ
@内的同調=概日リズム的時空秩序
A生理的対極と生理的平坦
B閾値現象と信号機能(関門制御)
何代にも亙って同じ環境条件(環境の規則性)に晒されていると、生物はその環境に対する応答パターンを遺伝的なプログラムとして組み込んでいくように思われます。例えば、光走性の進化を想像してみましょう。光走性は、三つの過程に分解できます:光受容系(光スペクトルや光強度の認識系)、情報処理系と運動系(反応系)です。光走性がない状態というのは、各々三つの過程が存在しないということではなくて、結合していないという状態であろうと思われます。何故なら、それぞれ三つの過程に関与している分子(蛋白質)はありふれたものであるからです。したがって、光走性の遺伝的プログラムの創造とは、この三つの過程をうまい具合に結合することにあると考えることができるでしょう。つまり、最適な色や強さに対しては正の走性を、害のあるものに対しては負の走性を固定するような形での結合の創生ということです。例えば、強光に突入するような生命は焼け死んでいきますから、この結合は自然淘汰プロセスによって容易に説明可能です。
概日リズムの創生の原動力も、生命が何代にも亙って同じ昼夜のサイクルに晒され続けてきたことにある、と思われます。いってみれば、生命が環境情報を遺伝的に同化する(取り込む)のです。この歴史的同化過程を通じて、生命は、環境適応の為の遺伝的プログラムを備えていくのである、と考えられます。ただし、実際の環境は、予期せぬ「雑音」を含みます。臨機応答もまた必要になるわけです。この部分は、少なくとも学習能力を持たない生物の場合には、反射的応答に頼る以外には方法がないでしょう。例えば、光合成回路の律速酵素の一つ Rubisco の場合には、光によって活性化されます。光の強さに応じて光合成速度を高めることができるのです。もちろん、「雑音」に対する反射的応答もまた、遺伝的同化によって創生されたはずです。
生物の陸上進出と概日リズム
耐乾性と生理的夜行性
からだのサイズの問題
小さいほど表面積の割合が大きくなる(径が半分になれば体積は8分の1に減少するが、表面積は4分の1にしか減少しない:単位体積当たりの表面積は2倍に増加する)。
からだのサイズが小さいほど水分損失、熱損失が激しい。
無脊椎動物の生態的分類
耐乾性(不透性クチクラの発達度)と生理的夜行性からの解放
水中: 環形動物(ミミズ)
土壌: 等脚類(ワラジムシ)、唇脚類(ムカデ)、倍脚類(ヤスデ)
ワックスなし→夜行性
ワラジムシの概日リズム
明暗周期に同調する概日リズム(温度周期や湿度周期には同調効果なし)
夜に活動するために:
湿度に対する反応性は夜になると低下するため活発に動き回る。一方、負の光走性は夜の進行とともに増大するから、夜明けとともに湿地へ埋没することが可能になる。このため、昼における乾燥を避けるとともに、捕食を回避できる。
昼に干からびないために:
湿度に対する反応性が昼に増大するとともに、低湿では正の光走性、高湿では負の光走性をしめす。
このため、昼、埋没していた住処が乾燥してくると光を求めて活発に動き回り、高湿のところで負の光走性に転じてじっとするようになる。
移行型(土壌→陸生):無翅類昆虫(トビムシ、カマアシムシ、ハサミコムシ、シミ)とワックスを欠く有翅類昆虫(カゲロウ、カワゲラ)とクモ形類の一部
陸棲:有翅類昆虫の多くとクモ形類(ダニ、サソリ、クモ)
生理的夜行性からの解放(約4億?3億年前?)昆虫の適応放散は石炭紀(3.5-2.7億年前)からペルム紀(2.7-2.35億年前)
ただし、幼虫は土壌生活者=夜行性
ショウジョウバエの羽化リズム(湿度の高い時間帯)
D. pseudoobscura 夜明け直後
D.persimilis 夜明けから4時間後 (ウスグロショウジョウバエよりも高地で涼しく湿ったところに生息)
外温性脊椎動物
両生類は夜行性
太陽コンパスの話
爬虫類は昼行性
温度嗜好性(温度選択)の概日リズム
体温の概日リズム
体温上昇のオンセットは活動オンセットに先行する。
生理的昼行性?(高い活動レベルを維持するために、昼間の高温時に活動時間帯を選択?)
石炭紀(3.5?2.7億年前)後期に出現(木性シダの繁栄、高温多湿)
CAM植物
C3、C4、CAM植物
乾燥に対する適応
気孔の開度
光合成電子伝達と光燐酸化