思考は知識の論理的組換え過程である


私が何も新しいことは言わなかった、などと言わないでもらいたい。内容の配置が新しいのである。
ジュード・ボームをするときには、一方も他方も同じ球を使うのだが、一方の方が上手に球を送るのである。
それと同じように、私は古い言葉を使ったと言われるほうが嬉しい。
同じ言葉が異なった配置によって別の思想を形作るのと同様に、
同じ思想でも配置が異なれば、別の論旨を形作るのではなかっただろうか。
(パスカル パンセ22(第一章)、1657〜1658)

知的凡人の思考も創造的である

各人が持ち合わせる知識の総体(セット)は各人各様に異なっている。そうした知識セットにおける各々の知識を、論理的に組み替える作業が思考である。したがって各人各様に唯一独自の知的イメージを生む。それは、他の誰によってもイメージされることのない本人に固有なもの、したがって常に新しいイメージである。思考は常に創造的である創造creationとは新しい「もの」や「こと」を作り出す過程のことであるから、人間はどのような知的凡人であろうと、思考する限りにおいて創造的なのである。(言うまでもないですが、感情も創造的です)

しかし、創造的であるからといって独創的であるとは限らないし、凡庸な創造の方が圧倒的に多いというのが現実である。ここで、敢えて、「創造」という言葉の日常的用法とは異なった用法を用いたのは、思考の特質を浮かび上がらせるためである。



知識の創造(科学的発見)と科学の社会的機能
科学の基本的課題は新しい知識の発見である。それは、今までに存在しなかった知識であるから、知識の創造といってもよいだろう。この新知識に基づいて一般の人々の思考(知的世界)も展開されていくわけだから、一般の人々も日常的に基礎科学の恩恵を受けているわけだ。


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