| 生物リズム学概論
A概日リズムと生命サイクル
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生物リズムの意義は、この問題の最も熱狂的な研究者が期待し続けてきたよりも、はるかに超えたものとなるだろう。
それは、生物時計が物質の無機的機能と生物学的機能との間の明確な絆を構成するからである。
したがって、生物リズムの本性を理解することは、生命自体の創生をより深く理解することにつながる。
(JT Fraser, The Genesis and Evolution of Time,1982)
(自然界における5つの時間、道家達将・山崎正勝監訳を改変)
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準備中
関門制御:連続量と閾値現象(全か無か) all or nothing 生命サイクル事象(e.g. 細胞分裂、M期突入、排卵(LHサージとそれを誘発するSCN信号)、産卵、、、)は一回的現象 all or nothingである。概日リズムが行うことは関門を位相に応じて開閉することにあるものと思われるが、その具体的メカニズムは多くの場合、未知である。
以上、仮想的な筋書きであるが、生命サイクルに対する関門制御は、その関門制御に関係する因子Xの濃度の連続量的な概日変化と、関門制御に対するXの閾値現象によってもたらされている、と考えるのが最も自然であろう。 関門制御:個体現象と個体群現象 例えば、細胞分裂タイミングの概日リズムを観察する場合、細胞集団(個体群)を用いて行われます。この辺りを厳密に理解していないと誤解を招く恐れがあるので、注意が必要です。
@ラットのLHサージと排卵タイミングの概日リズム
AラットLHサージタイミングの概日リズムと発情周期におけるSCN機能
Bひとの排卵タイミング 基本的メカニズムはラットの場合と(哺乳類として)同様であろうと推測される:SCNの神経信号(概日リズム)がLHサージを誘発する体制を毎日整えているが、エストロジェン/プロジェステロン比が十分に高い時期にのみLHサージを実際に誘導する。ひとの場合にはその24〜30時間後に排卵が生ずる。
なお、Cagnacci A et al.(1997){Fertil Steril 68(3):421-425, Regulation of the 24-hour rhythm of body temperature in menstrual cycles with spontaneous and gonadotropin-induced ovulation.}によると、前排卵期では、エストロジェン/プロジェステロン比は非常に高いが、このとき、腟内温リズムの平均値は低く振幅は大きい。濾胞期早期から黄体期にかけてエストロジェン/プロジェステロン比は漸進的に低下していくが、これと平行して膣内温リズムの平均値は上昇し振幅は低下していく、という。 いずれにせよ、ひとの排卵タイミングの概日リズム制御は殆ど謎といって良い状態にあるようだ。 ミドリゾウリムシの性的能力(接合能力) 図(Miwa1989)では接合活性。
ゾウリムシの接合型変換(Kamiya & Miwa 1994)
アカパンカビの分生子(分生胞子、無性的に(核合体や減数分裂を伴わずに)形成される脱落性の胞子)形成:
チャコブダケの胞子放出リズム(Ingold & Cox 1955)
ワタアカミムシ Pectinophora gossypiella (蛾の一種)の三つの概日的関門リズム
千葉先生の論文(時間生物学ハンドブック、概日リズムと生態学 より 図3 牛に飛来する吸血昆虫の種類が時刻によって異なっている。ここに示されている三種の蚊は夜行性、虻(アブ)とサシバエは昼行性、蚋(ブユ)は二相性の薄暮活動性となっている。 図4 鶏に飛来する三種の夜行性の蚊は殆ど交尾を済ませた個体で、処女雌は稀であることが分かる。交尾→「吸血→卵成熟→産卵」という時間パターンは雌吸血性の昆虫に共通した特徴で、宿主によらない。各種によって飛来パターンが異なることも注意される。「」内が繰り返されるとあるが、産卵は「小出し」ということなのだろうか? 図5 アカイエカ雄の群飛(蚊柱)
図6 アカイエカ 交尾活動による雌活動性の変化 雌の活動パターンは雌と過ごしても変化ない(群飛に対応した二峰性)が(上段の二図)、雄と交尾することによって、夜間の活動性を強めている。この夜間活動性の強まりが吸血行動に対応している。
図7アカイエカ雌個体レベルでみた行動パターンと集団としての行動パターンの違い
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