原虫とは
「原虫」は単細胞の微生物です。中学や高校の理科の教科書でゾウリムシやアメーバなどをご存じの方もおられると思いますが、これらも原虫の仲間です。ある種の原虫は人や動物に寄生して重い病気を引き起こします。原虫細胞の仕組みは鳥インフルエンザや結核などの病気を起こすウイルスやバクテリアよりかなり複雑です。たとえば病原性原虫のほとんどは宿主の免疫を巧みに回避することができるため、有効で安全なワクチンや治療薬がほとんどありません。世界的に見て原虫による感染症は人や動物の健康や畜産物生産に大きな打撃を与えており、予防治療法の開発が強く望まれています。
主な動物の原虫病
トキソプラズマ
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・マクロファージに寄生することにより免疫回避 ・ワクチン、効果的な治療法なし ・人獣共通伝染病(主に猫→人) ・人で流産、新生児の先天性トキソプラズマ症 ・感染者数(日本)4000万人、ほとんどは不顕性 ・HIV感染者で発病(脳炎、肺炎) |
アフリカトリパノソーマ
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・血流中に寄生 ・表面抗原変異による免疫回避 ・ワクチンなし ・治療薬の種類は限られる ・サハラ以南アフリカ諸国に広く分布 ・ツェツェバエによる媒介 ・アフリカでの感染頭数1億5千万頭 ・人では眠り病を起こす |
タイレリア、バベシア
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・牛、馬の赤血球あるいはリンパ球に寄生 ・マダニによる媒介 ・分布は世界的 ・効果的ワクチンは少ない |
人の原虫感染症
マラリア原虫は蚊によって媒介され、世界で年間3-5億人が罹患、年間200万人もの命を奪っています。アメーバ赤痢は5億人の感染者、レーシュマニア症は中近東、西~南アジアに分布し150万人、シャーガス病は中南米に分布しており、800万人の感染者がいます。これらの原虫感染症は日本には本来存在しませんが、汚染国へ旅行した人が感染し、国内で診断される輸入症例が最近増加傾向にあります。







