開講科目 学部

社会思想(前期開講)

授業概要

 近代社会は、多様な人々の思想と運動とを通じて形成された。この授業では、ヨーロッパおよび日本の代表的な近代の社会思想(広く政治思想、経済思想を含む)を概観する。これを通じて、人権(人の権利)、労働者の権利、女性の権利、抑圧された諸民族の権利について理解を深めるよう期待する。
 思想は、それ自体に意味があるのではない。重要なことは、これをいわば「眼鏡」にして私たちの現実を見つめることである。可能な限り今日の社会的その他の現実について触れつつ、思想が現代社会に生きるものとなるよう努めたい。

授業計画
 

    ア、人間解放の思想

  1. 安藤昌益と『自然真営道』―果敢な封建制批判
  2. ホッブズと『リバイアサン』―国家についての考え方の転換
  3. ロックと『市民政府論』―法による統治と権力分立論
  4. ルソーと『人間不平等起源論』『社会契約論』―平等社会実現のためのプログラムと直接民主制

  5. イ、階級解放の思想

     
  6. マルクスと労働者階級発生の歴史―資本主義と原始的蓄積(『資本論』第1巻第8章)
  7. マルクスと『ドイツ・イデオロギー』『経済学批判』―唯物論的歴史観とは何か
  8. マルクスと『資本論』―労働者はどれだけ搾取されるか

  9. ウ、女性解放の思想

     
  10. ウルストンクラフトと『女性の権利の擁護』―教育制度と参政権(平塚らいてうと『青鞜』を含む)
  11. エンゲルスと『家族・私有財産および国家の起源』―経済的独立の意義
  12. ボーヴォワールと『第二の性』―女・男は作られる

  13. エ、民族解放の思想

     
  14. レーニンと『帝国主議論』(1)―金融資本と植民地化
  15. レーニンと『帝国主議論』(2)―植民地化の結末と現代の南北問題
  16. 田中克彦と『ことばと国家』―文化の植民地化(ただし13は時間の関係で扱えない可能性がある)
キーワード

人権、労働者の権利、女性の権利、民族の権利;リヴァイアサン、自然権、法による統治、三権分立、抵抗権、社会契約、統治契約、一般意志、直接民主制;唯物論的歴史観、資本主義社会の秘密、労働の価値と労働力の価値;女性の権利、参政権、母権・母系、対偶婚、家父長制、他者、男女を作り上げる機構;集中と独占、金融資本、資本輸出、経済的・領土的分割、帝国主義、新植民地主義