開講科目 学部

比較美術史(前期開講)

授業概要

 多くの人の努力によって、世界にはたくさんの美しい芸術が花開いてきた。この授業では、日本ならびにヨーロッパその他の絵画・彫刻を見ながら、日本人に特徴的な美的な対象把握の方法とその表現法を、ヨーロッパ人のそれと対比させて浮き彫りにしたい。
 これを通して、衣・食・住ばかりか政治・経済等において西洋化した日本人が、一方いかに伝統的な美的表象様式を伝承し内面化しているかを理解すると同時に、日本美術ならびにヨーロッパ美術それぞれに対する目を育てられるよう努めたい。
 なお、主に日本美術に力点をおいて話すことになるが、重要なことは、日欧、もしくは東西の美術の優劣を論ずることではない。むしろ美的表現が人類においていかに多様であるかを、理解してもらいたい。

授業計画

導入 なぜ人は描くのか?

  1. 日本の美意識-ヨーロッパのそれと比較して
  2. 縄文・弥生土器とエジプト・ギリシャの壺(土器の造形)
  3. 飛鳥・白鳳・天平仏とギリシャ彫刻(仏像の見方)
  4. 鎌倉仏とギリシャ・ルネサンス彫刻(多様なリアリズム)
  5. 鎌倉・室町の絵巻・水墨画とヨーロッパの絵画(絵巻物と水墨画)
  6. 桃山・江戸の障屏画とヨーロッパの壁画(狩野派・琳派)
  7. 江戸の錦絵とヨーロッパの版画(多色木版画と銅版画・石版画)
  8. 江戸の洋風画と遠近法(線遠近法と空気遠近法)
  9. 近代の画家たち:洋画と日本画-ヨーロッパ近現代の絵画

キーワード

絵画、彫刻、工芸、日本の美意識、ヨーロッパの美意識;土器、リアリズム、アルカイック・スマイル、コントラポスト、仏像(飛鳥・白鳳・天平仏、平安仏、鎌倉仏)、絵巻物、水墨画、障屏画と障壁画、狩野派・琳派、たらしこみ、ルネサンス、遠近法(線遠近法・空気遠近法)、マニエリスム、フレスコ、ジョルナータ、浮世絵、錦絵、木版画・銅版画・石版画、風俗画、風刺画、社会批判、円山派・秋田蘭画;バロック、ロココ、古典主義、ロマン主義、自然主義、印象主義、ジャポニスム、表現主義、アール・ヌーヴォー、フォーヴィズム、キュビスム、抽象画、アクション・ペインティング

参考図書

辻惟雄監修『カラー版日本美術史』(美術出版社)、高階秀爾監修『カラー版西洋美術史』(同上)、前田耕作監修『カラー版東洋美術史』(同上)。