開講科目 大学院

科学と人間

授業概要

 現代人がいだく「疎外感」の大きな要因として、科学、ことに自然科学が、巨大でありかつ時とすると破壊的な影響力を社会に対してもつに至っていること、また科学の到達した認識水準が、われわれ一般市民の平均的な認識能力を、極度に凌駕するに至っているという事態があげられるように思われる。一般市民は、それ故、己れの制御できな巨大な、かつ不可思議な力によって翻弄されているかのように意識せざるをえない。そして、今後いかなる事態がわれわれを待ち受けるのか理解困難であるだけに、ますますそうである。
 たとえば、原子力発電、バイオテクノロジー、遺伝子操作技術等は、人間社会に大きな福音をもたらしうる技術である。そしてその技術の背後には、現代の高水準の科学がある。だがこれらの技術は、同時に核汚染、原水爆・生物兵器による破壊、添加物等の人体への蓄積、クローン人間の出現の可能性等は、人間社会にとって大きな脅威でもある。
 そうした不安にさらされるとき、人々はむしろ非合理なものに逃避する傾向をもつことがある。今日の、「オカルト」の流行や新・新興宗教ブームは、こうした人々の不安感と無関係ではありえない。
 われわれに明確な解答があるわけではない。だが、これらの事態がよってきたる所以、その背景、予想される帰結、人間社会への影響、将来の見通し等を得るための模索は、真摯に追求すべきであろう。

授業計画
  1. 現代の科学と科学的な考え
  2. 社会と科学・技術のあり方
  3. 宇宙開発・自動車文明をめぐる諸問題
  4. 脳死と臓器移植をめぐる諸問題
  5. 非科学・疑似科学、UFOはあるか
  6. 宗教・オウム真理教と現代社会
  7. マンハッタン計画と科学者の責務
  8. 原子力発電と科学者の責務
  9. クローン技術に関わる諸問題
  10. 環境ホルモンに関わる諸問題
  11. 機械論的自然観と有機体的自然観
  12. 動物園は必要か・工場的畜産の諸問題
  13. 動物実験の是非
  14. 自然科学と社会科学
キーワード

科学と技術、テクノロジー、社会と科学・技術、宇宙開発、自動車文明、脳死と臓器移植、非科学・疑似科学、オカルト・UFO、超伝導、宗教・オウム真理教と現代社会、マンハッタン計画、原子力発電、クローン技術、環境ホルモン、機械論的自然観と有機体的自然観、動物園・工場的畜産・動物実験の是非、自然科学と社会科学

参考図書

杉田の著書。そのつど紹介する