Rを起動すると,以下のようなメッセージが表示されます。
R version 2.7.1 (2008-06-23) Copyright (C) 2008 The R Foundation for Statistical Computing ISBN 3-900051-07-0 Rはフリーソフトウェアであり、「完全に無保証」です。 一定の条件に従えば、自由にこれを再配布することができます。 配布条件の詳細に関しては、'license()'あるいは'licence()'と入力してください。 Rは多くの貢献者による共同プロジェクトです。 詳しくは'contributors()'と入力してください。 また、RやRのパッケージを出版物で引用する際の形式については 'citation()'と入力してください。 'demo()'と入力すればデモをみることができます。 'help()'とすればオンラインヘルプが出ます。 'help.start()'でHTMLブラウザによるヘルプがみられます。 'q()'と入力すればRを終了します。 >
最下行に > の表示があります。 この状態でキーボードから命令文を打ち込むと,それが解釈されて,適切な処理が行われます。
基本的に,Rは,プログラミング言語(R言語)を使って処理を記述します。 一方で,関数電卓のように,四則演算を含む計算式を入力して,その結果を得ることもできます。 たとえば,キーボードを使って以下のように入力し,Enterキーを押してください(最初の > は,画面に表示されているものですから,入力しないでください)。
> 1+2*3
その計算結果は,以下のように表示されるはずです。
[1] 7
答えは7である。 四則演算の優先順位が守られていることに注意してください。 最初の [1] は,1個だけ解を得たことを意味します。
別の計算例を以下に挙げます。 以下の入力例のうち,# 以降は,説明のための注釈ですから,実際に入力しなくてもよいです(入力しても,結果に影響はありません)。
> (1+2)*3 # カッコ内を優先的に計算する [1] 9 > ((1+2)*3+4)*5 # 複数のカッコを使う場合 [1] 65 > 2/3 # 割り算:小数点付きの数値も扱える [1] 0.6666667 > 10^3 # ベキ乗:10の3乗 [1] 1000 > 10^(1/2) # 平方根:10の平方根 [1] 3.162278 > sqrt(10) # 関数sqrt()でも平方根を計算できる [1] 3.162278
Rで利用できる主な演算子と関数の一部を以下に挙げます。
| 演算子 | 意味 | 演算子 | 意味 |
|---|---|---|---|
| + | 加算 | sqrt() | 平方根 |
| - | 減算 | log() | 自然対数 |
| * | 乗算 | exp() | ex |
| / | 除算 | sin() | 正弦 |
| ^ | ベキ乗 | cos() | 余弦 |
| () | 優先順位の変更 | tan() | 正接 |
変数とは,数値に名前をつけて記憶したり,計算結果を保持する目的で利用できます。 まず,以下の例を見てください。
> a<-10 > b<-20 > a+b [1] 30
この例では,変数aに10を,変数bに20を代入し,最後にそれらを加算しています。 変数への代入は,矢印(←)をあらわす記号 <- を使用します。 右の値を,左の変数に代入することを意味します。 代入を繰り返すと,古い値は消滅し,新しい値で上書きされてゆきます。
変数が保持している値を表示するには,単に変数名を入力します。 変数の大文字と小文字は区別されますので,注意してください。 また,代入と同時に内容を表示するには,全体を () でくくってください。
> a<-10 > A<-30 > a # 変数 a の内容を表示 [1] 10 > a+A # a と A は,別物である [1] 40 > (b<-50) # 代入時にカッコでくくると,内容を表示する [1] 50
変数は,通常の数値と同じように利用することができます。 また,変数から変数に代入することもできます。
> a<-10 > sqrt(a) # 通常の数値と同じように扱うことができる [1] 3.162278 > (b<-a) # 別の変数 b に値を代入 [1] 10 > (c<-a+50) # aに50を足した値を c に代入 [1] 60
ここで変数として紹介したものは,Rでは「オブジェクト」と呼ばれます。 ふつうにRを利用する場合には,「オブジェクト」を変数と読み替えたほうが分かりやすいです。 たとえば,存在しない変数の値を表示しようとすると,以下のようなエラーが発生します。
> X エラー: オブジェクト "X" は存在しません
実験データなど,複数の数値をまとめて扱いたいことがあります。 Rでは,1個の変数に,複数の数値を保存することができます(これは,数学的にはベクトルと呼ばれるものです)。 ベクトルは,以下のように入力することができます。
> x<-c(1,3,5,7,9) # 変数xに5個の数値を保存する > x [1] 1 3 5 7 9
ここで c() は,複数の数値を結びつけて(combine),ベクトルを作る命令語です。この関数は,あらゆるものを連結してベクトル化します。
> x<-c(1,3,5,7,9) # 変数xに5個の数値を保存する > y<-c(2,4,6,8,10) # 変数yに5個の数値を保存する > (z<-c(x,y)) # xの後ろにyを連結し,画面に表示する [1] 1 2 3 4 5 2 4 6 8 10
いちどベクトルとしてデータを読み込んでしまえば,それを利用して基礎統計量(平均や標準偏差など)を計算することができます。 以下の例を参照してください。
> x<-c(7.1, 5.2, 8.3, 2.1, 6.5, 4.0, 1.8) # データを代入 > summary(x) # データの基礎統計量を表示する Min. 1st Qu. Median Mean 3rd Qu. Max. 1.80 3.05 5.20 5.00 6.80 8.30
左から,最小値,第一四分位数,中央値,平均値,第三四分位数,最大値です。 また,このほかの統計量を計算する関数も用意されています。
> x<-c(7.1, 5.2, 8.3, 2.1, 6.5, 4.0, 1.8) > sum(x) # 合計値 [1] 35 > mean(x) # 平均値 [1] 5 > sd(x) # 標準偏差(SD) [1] 2.491318
ここで示したように,Rで統計分析を行う際には,