畜産学部附属家畜病院 University Veterinary Hospital





沿革

 3度目の校名改称に当たる帯広農業専門学校時代(1947年)に獣医畜産学科の家畜病院
(木造平屋建643m2)が建造され,ウマを主とする臨床の教育・研究を目的とした無料診療
体制でスタートした。帯広畜産大学に改名された4年後(1953年),国立学校設置法により
正規の附属家畜病院が誕生した。当時の不備な施設と交通の不便さから患畜頭数が少な
かったので,翌年市内に帯広分院(木造2階建140m2)を設置し,分院の診療頭数は全体の
8割を占めた。その後,農業形態の急激な変遷(機械化と酪農振興)とあいまった交通機関
の発達する好景気の社会的背景から,当時(1970年)近代的な現存の鉄筋2階建
(1,790m2)の附属家畜病院が臨床の講義兼学生実習室と実験室を含めた総合臨床棟として
建造され,帯広分院は2年後に撤去された。この時代における診療患畜頭数は小動物優勢
傾向にあったが,1980年に写真で示した大動物用X線診療車が導入され,道東から道北
地域を巡回診療することにより大動物診療頭数が増強された。1984年に大学院修士課程
の定員増と獣医臨床放射線講座の新設に伴い,大動物入院舎の改築等を含めた家畜病院
(2階建979m2)が家畜病院に隣接して増築された。その2階は外科と放射線講座で占めら
れ,1階は両講座専用の診療と学生実習に利用され,大動物用超音波浴治療装置,油圧式
大動物手術台および覚醒室等が設備されるようになった。
 家畜病院の専任教官は正式な病院体制となって以来2名の定員で,助手2名から助手・
講師そして助手・教授へと推移し,事務系職員も2名より4名と変化した。
 診療体制は約10年前より小動物総合診療を家畜病院の教官(専任)が担当し,大動物の各
科別診療を臨床4講座教官(兼任)が分担しながら小動物診療を支援する仕組みとなってい
る。さらに,1995年より多様化する動物疾病に対応するために獣医学科の全教官が家畜
病院の兼任教官となった。
 以上,半世紀にわたる家畜病院の沿革は地域社会の要請に即応した軌跡を物語り,今後
様変りするであろう畜産に対しより高度な診療と予防技術が要求されることになろう。



                            歴代家畜病院長

  市岡朝裕 教授   1953〜1955年    広瀬恒夫 教授   1981〜1983年
  中村洋吉 教授   1955〜1957年    一条 茂 教授   1983〜1987年
  小西辰雄 教授   1957〜1959年    井上和幸 教授   1987〜1989年
  中村洋吉 教授   1959〜1961年    亀谷 勉 教授   1989〜1991年
  小西辰雄 教授   1961〜1963年    広瀬恒夫 教授   1991〜1997年
  中村洋吉 教授   1963〜1965年    山田明夫 教授   1997〜1999年
  小西辰雄 教授   1965〜1973年    佐藤邦忠   教授   1999〜現在
  三宅 勝 教授   1973〜1981年


             教            官


  
 病院長(併)教   授  獣医学博士  佐 藤  邦 忠
       教   授  獣医学博士  宮 原  和 郎
       助 教 授  獣医学博士  石 川    濶
      (兼)教 授         山 田  純 三
      (兼)教 授         斎 藤  篤 志
      (兼)教 授         松 井  高 峯
      (兼)教 授         西 村  昌 数
      (兼)教 授         更 科  孝 夫
      (兼)教 授         山 田  明 夫     
      (兼)教 授         白 幡  敏 一
      (兼)教 授         品 川  森 一
      (兼)教 授         佐 藤  基 佳
      (兼)助教授         北 村  延 夫
      (兼)助教授         小 俣  吉 孝
      (兼)助教授         古 岡  秀 文
      (兼)助教授         石 井  利 明
      (兼)助教授         宇 塚  雄 次
      (兼)助教授         大 星  健 治
      (兼)助教授         宮 澤  清 志 
      (兼)助教授         牧 野  壮 一
      (兼)助教授         石 黒  直 隆
      (兼)助教授         佐 藤  栄 輝
      (兼)講 師         山 田  一 孝 
      (兼)助 手         佐々木  基 樹
      (兼)助 手         古 林  与志安
      (兼)助 手         田 辺  茂 之
      (兼)助 手         山 岸  則 夫
      (兼)助 手         高 木  光 博
      (兼)助 手         度 会  雅 久
      (兼)助 手         上 野  博 史



研究の特徴

 施肥の過剰(とくに糞尿・デンプン工場廃液など)の牧野ないし採草地では,ウシに硝
酸塩中毒の発生が懸念される。過急性で,直接の死因は亜硝酸塩−誘起のメトヘモグロ
ビン(MHb)血症による酸素欠乏症である。本症の発生機序を解明するため,これまで反
スウ動物における硝酸塩代謝,MHb形成反応,および赤血球内MHb還元機序に関する研
究が主体であった。MHb形成の初反応はNOフリーラジカル反応に基づくもので,赤血球
内のヘム分子のみならず,細胞膜に対する脂質過酸化反応による細胞障害も想像される。
そこで,獣医学小動物臨床分野で要望の高い代用輸血剤への応用も可能な細胞モデルと
してHbを内色するリポソームを作製し,脂質過酸化を抑制し,酸素運搬能を有し,しか
も保存可能な緊急輸血剤の開発をめざしている。
 大学の家畜病院では,小動物診療に高度な検査方法が要求される。したがって,加療
対象動物特有の簡便・迅速・正確な検査方法の開発も重要な研究課題となっている。現
在,尿路系疾患の診断の一助となる尿中リソソーム酵素を検討している。



教官の概要

教授
宮原 和郎
Kazuro MIYAHARA
 生年月日:1954年9月17日
 電話番号:49-5681,Fax番号:49-5402
専門分野:
 獣医臨床放射線学
研究課題:
 家畜の潜在性疾患に対する画像診断に関する研究,家畜の潜在性疾患に対する集団
予防・治療法に関する研究
所属学会:
 日本獣医学会,日本産業動物獣医学会,日本小動物獣医学会,日本癌学会,獣医
麻酔外科学会,国際獣医放射線学会,世界牛病学会,獣医画像診断学会(評議員)

 
助教授
石川 濶
Hiroshi ISHIKAWA
 生年月日:1944年12月14日
 電話番号:49-5682,Fax番号:49-5402
専門分野:
 家畜内科学,臨床免疫学
研究課題:
 牛の周産期免疫,犬.猫の臨床免疫
所属学会:
 日本獣医学会,日本臨床小動物学会,日本臨床免疫学会



研究業績

原著論文:

Ishikawa, H. and Shirahata, T. 1986. Application of glucose consumption test 
for evaluating blastogenesis in bovine lymphocytes. Jpn. J. Vet. Sci. 48:111-
115.

Ishikawa, H. 1987. Observation of lymphocyte fubction in perinatal cows and 
neonatal calves. Jpn. J. Vet. Sci. 49:469-475.

石川 濶, 森 和也, 白幡敏一. 1993. MTT比色定量法を用いた犬リンパ球の幼若化反応. 
日獣会誌 46:241-245.

Ishikawa, H., Shirahata, T. and Hasegawa, K. 1994. Interferon γ production of
mitogen stimulated peripheral lymphocytes in perinatal cows. J. Vet. Med. Sci. 
56:735-738.



その他の原著論文:

Ishikawa, H. 1986. Changes of peripheral T lymphocytes in the young calves. 
Res. Bull Obihiro Univ. 14:339-343.

井上和幸, 斉藤愛輝, 石川 濶. 1987. 各種哺乳動物における可溶性および膜結合型赤
血球内メトヘモグロビン還元酵素. 帯大研報 15:1-7.

石川 濶, 谷山弘行. 1987. 犬伝染性肝炎の一発症例について. 北獣会誌 31:4-7.

Ishikawa, H., Shibata, H., and Shirahata, T. 1992. Induction and assay of 
interferon (IFN) from mitogen stimulated bovine peripheral lymphocytes. Res. 
Bull. Obihiro Univ. 17:331-339.

石川 濶, 大橋英二, 寺谷義彦. 1994. 帯広市およびその近郊における犬糸状虫感染の
実態調査. 北獣会誌 38:5-6.

石川 濶. 1988. 乳牛の免疫応答能(その2). ふおーなす 8:1-5.

石川 濶. 1992. 初乳の重要性『初乳の免疫』. 臨床獣医 10:19-24.



総説:

石川 濶. 1990. 子牛の下痢症と周生期免疫. 家畜臨床 8:5-12.

石川 濶. 1991. 乳牛の周産期の免疫応答. 畜産の研究 45:307-312.



著書:

井上和幸. 獣医生化学. 大木与志雄ら編, 文永堂出版,  東京, 1995.



訳書:

井上和幸. 獣医臨床シリーズ(1990年版), 止血, 学窓社, 東京, 1990.

井上和幸. 獣医臨床シリーズ(1994年版). 小動物麻酔における諸見解, 学窓社, 東京, 
1994.

病院会議室