第2次派遣の前半の1週間に同行した引率教員としての報告

畜産科学科 教授 三好俊三

 

JICA青年海外協力隊短期派遣制度に基づく短期ボランティア派遣
「フィリピン酪農開発強化プロジェクト」

はじめに 

全国で初めての試みとして、平成17年8月から9月にかけて10名の学生隊員を派遣したところですが、こんなに早く、2回目の派遣が実現するとは想像をしていませんでした。このことは、前回派遣した10名の隊員の活動がいかにすばらしく、高い評価がなされたかを物語っているものと思います。改めて、10名の隊員の功績を称えて頂きたいと思います。ボランティアとしての学生協力隊に大学教員として引率する意義等については、私にとっては2回目であり、ある程度の心構えが出来ていたおかげで、スムーズに行動できたと思っています。しかしなによりも、前回と同様に、このプログラムに関係された多くの方々の温かい支援があったからこそと思っています。まずはお礼申し上げます。今後とも宜しくお願いいたします。

紅白のハイビスカス

今回の派遣には、全行程に教員が引率することが出来ませんでした。始めの1週間ほどを私と花田助教授が引率し、帰国前の1週間を石橋副学長、小疇助教授および神川係員が引率しました。本報告書は、私が引率した期間の行動記録や派遣前後の種々の事項を記載することにします。私が関与できなかった期間の様子については、本学海外派遣ボランティアのサイトに記載されていることを見ていただきたいと思います。

 

学生協力隊員のボランティア活動の概要

1次派遣と同様、フィリピン国による「フィリピン酪農開発強化プロジェクト」に対してJICA−JOCVマニラ事務所が中心となり、学生隊員がその実際を現地のCPや技術者と共に活動するというシステムです。今回は、4名の隊員を派遣しましたが、早めに具体的な活動内容が知らされていたことや前回の派遣隊員から、その活動内容を聞く機会があったことなどにより、大学での事前研修が、前回より少し多く出来たと思っています。具体的には、4名の隊員を1名ずつ繁殖(牛の健康管理)分野、育種(データベースの構築)、乳質(乳質検査)と(乳房炎対策)について3月9日から3月24日まで活動することになっていました。その中には、中間報告会や最終報告会が含まれていますので、学生隊員にとっては、かなりハードな日程となっていました。また、活動の前後には、フィリピン国のボランティア調整局や、酪農局の訪問、JICA本部や、JICAマニラ事務所での事前研修、および報告会も含まれています。

花壇や石垣の周辺に植えられているスミレを大きくしたような花

 

派遣学生の選考と事前研修

前回は、引率教員の行動記録に詳しく記載しましたが、今回は、本報告書に派遣に至るまでの経過を反省点等を含めて記述することにしました。

平成17年12月15日(木)JICA帯広より春休みに、3週間の予定で、第2回目の派遣が決定したことの通知がありました。前もって12月13日に派遣の打診がありましたので、すぐに学生募集の掲示を行うことが出来ました。これも、前回の経験が生かされたことになるかと思いますが、さらに、スムーズな方法を検討すべきでしょう。すなわち、連絡体制の見直しが必要と思われます。

12月22日(木) 第1回目の学内募集説明会を開催しました。前回の派遣学生にも参加を呼びかけ、学生からの質問等に対応してくれましたので応募者に対し、よい刺激になったと思います。

平成18年1月19日(木) 第2回目の学内募集説明会を行いました。この時点では、大まかな活動内容がJICAマニラ事務所等から知らされていましたので(1月11日)、同様の活動をしてきた前回の学生にその内容を含め、体験談を話してもらいました。このことも、非常に有意義なことであったと思います。

1月23日(月)JICAマニラ事務所から派遣学生に対するさらに詳しい活動内容が示されました。派遣学生は、4名で、育種、繁殖(人工授精)、乳質、乳房炎対策に分類される内容でした。

1月25日(水) 応募を締め切り、1月26日(木)、8名の応募者に対し、面接を行いました。前もって提供された小論文(JICAに提出したものと同じ)についても評価をし、選考の対象としました。学年末であったことから、応募者には3年生以下の学生が多く、活動に沿った専門性を判定基準に出来ない状況でした。そこで前回と同様に専門にかかわらず協力隊として活動する意欲の程度を主な基準としました。さらに、前回、高い評価を受けたコミュニケーション能力(英語の能力ではない)、すなわち、積極的に話が出来ることを評価しました。この選考方法は、これからも重要な要素となろうと思われます。応募者に何とか順位をつけ、1月27日(金)、石橋理事と協議の上、4名を選定し、JICA帯広に知らせました。

2月2日(木)、JICA帯広において選定した4名の面接が行われました。JICA本部に送られ、審査を受け決定となります。

2月6日(月)、4名の派遣予定学生と、打ち合わせを行いました。再度、派遣の意思確認を行うと共に、昨年の例を挙げ、今後の事前研修や、フィリピンで予想されるスケジュールや活動内容、さらに、心構えを話し、チームとしてまとまりを作るように指示しました。

2月7日(火)、引率教員とその期間が決定しました。

2月13日(月)、JICA帯広において、派遣決定の4名に対し、オリエンテーションが行われ、3週間の主なスケジュールが知らされました。4名の派遣学生の紹介は、この冊子の最初の部分を見てください。

2月20日(月)、大学にて説明会を行ないました。私より活動内容を1次派遣の様子を踏まえて説明し、小論文や面接時の発言内容および本人の希望を聞き、1名ずつ活動分野への振り分けをしました。前回の学生も参加してくれたため、その内容が具体化し、スムーズに決定することが出来ました。

2月21日(火)、派遣学生に対し、活動するプロジェクトの基本となる育種についてのレクチャーを行ないました(三好)。育種の重要性、また、そのためのデータベースの重要性を強調することとなり、最小限の専門用語を教えることに留まりました。

2月24日(金)、JICA帯広にて、JICA-netによるフィリピン事務所との合同オリエンテーションが開催されました。引場シニアにより、さらに具体的な活動内容や心構えが伝えられ、学生も徐々に実感が出てきた様子でした。

2月27日(月)、28日(火)、木田先生にお願いし、農家での指導のあり方、乳質の検査、乳房炎対策について、基本的な事項のレクチャーと実習を行っていただきました。

3月1日(水)、2日(木)、松井先生にお願いし、牛の健康管理、繁殖障害および人工授精等、繁殖関係の基礎的レクチャーと実習を行ってもらいました。

これらの事前の勉強会や実習がすぐに役に立つとは思われませんが、派遣学生にとって、多くは専門外でもあり、まだ乏しい専門知識しか持っていない状態でも見聞しておくことは、現地で必ずや生かされると思われます。時間的に余裕のなかった前回においても、同様な事前研修が充分でないにしても生かされたと報告されています。

3月3日(金)、学長室にて出発式が挙行されました。派遣学生の紹介があり、リーダーの志知君から決意が述べられ、学長から激励を受けました。また、JICA帯広より、証明書が渡されました。

出発式で学長と懇談
出発式後、マスコミと懇談

19時より、学生会館で前回の派遣学生も交え歓送会が開かれました。ここでは、今まで聞いていなかった現地での様子等も知らされ、今回の学生にとって非常に有意義なものとなったであろうと思います。また、相互の連帯が強まったようでした。

 

引率した1週間の記録

3月4日(土)帯広畜産大学海外ボランティアという名のサイトが新たに開設されました。前回の掲示板とは異なる方法で現地での活動状況が発信出来る体制が整いました(仙北谷先生に多大なご苦労をおかけしました)。

3月6日(月)10時には、4名の学生と引率の花田先生も含め、全員が帯広空港に到着し、各自、搭乗手続きを済ませましたが、1度あることは2度あるとの例えのごとく、前回と同様のトラブルが生じました。ある学生が(名を伏せておきます)“パスポートを忘れてきた”とのことです。すぐさま友人に連絡し、持って来てもらうことになりなしたが、出発時間に間に合わない時間でしたので、花田先生に残っていただき、JICA本部へは、私が引率することとして搭乗しました。ところが、出発が20分位遅れるとのこと。機外に出していただき、花田先生に連絡したところ、運よくパスポートが届いたとのこと。再度、出発を変更し、やっと全員出発となったしだいです。3度目があるかもしれません。出発時には充分に注意をしなければならないでしょう。

帯広空港にて沈んだ顔の人がいる 全員無事に搭乗

出発が遅れた割には、予定よりも少しの遅れでJICA−JOCV東京本部に到着しました。フィリピン担当の方々からのオリエンテーションを受けました。2回目のことでもあり、学生諸君も事前に情報を入手している前提がありましたので、前回よりも簡単な形式で行われましたが、さすがに正式に協力隊員として契約を取り交わすときには、やや緊張していたようにも思えました。

JICA本部にて種々の注意を受ける JICA本部にて誓約書に署名

19時過ぎに成田のホテルに入り、明日の打ち合わせ等を行い、長い第1日目が終了しました。

3月7日(火)マニラとの時差が1時間あるため、今日は、1日25時間の日になります。7時にホテルのロビーに全員元気に集合し、成田空港第2ターミナルへ向かいました。搭乗手続きにちょっと時間を要しました。1つにはある学生のトランクにライターが入っており、それを見つけ出すのに荷物を全部出すことになりました。手荷物だけではなく、100円ライターも1人1個となっていますので注意してください。また、荷物重量は、1人20kgまでとなっていますので、グループで手続きすることをお勧めします。グループですと人数分の総重量となります。

荷物のチェックを受ける
1個の百円ライターのため
いよいよ出国です

9時前に出発ロビーに入り、9時40分の定刻よりやや遅れ、出発しました。約4時間のフライトで、現地時間、13時半頃にマニラに到着しました。JICAの若林調整員の出迎えを受け、そのまま、JICA−JOCVフィリピン事務所に直行しました。一休みしてから、オリエンテーションが行われました。松浦所長、吉田次長から激励を受けた後、引場シニアも加わられ、より具体的な行動計画等を直接聞くことでき、学生隊員も、より決意を強くしたものと思われます。各自に携帯電話が渡され、隊員間やJICA関係者等、それぞれの連絡網を新たに作成しました。また、身分証の発行を受けました(この身分証はパスポートより効力があるとのことです)。

JICAマニラ事務所にて
松浦所長の激励を受ける 引場シニアから活動の説明を聞く

その後、学生隊員を今日の宿泊先(協力隊員の研修施設(ドミトリー)に降ろし、私と花田先生は、これから5日間宿泊するホテルに入りました。7時過ぎ、若林さんと引場さんが我々の歓迎会をフィリピン料理店で開いてくださり、これからの活動のこと等を語り合い、大いに盛り上がりました。派遣学生の紹介のページを見てください。この歓迎会の会場で撮影したものです。それぞれの表情から楽しさが覗えると思います。

3月8日(水)乾季であるフィリピンは、今日も晴れ。昨年夏は、雨季であったため、暑さと湿気で外に出るとメガネが曇るほどでしたが、今回は湿度も低く、30度から35度の暑さに慣れれば快適に過ごせそうです。水分だけは、前にも増して補給するように、隊員にも注意しておきました。

白い花を付ける木  

左上の写真と左下の写真は今回(乾季)のもの

右上の写真は、前回(雨季)のもの

木の葉の茂りがまったく異なります。

若林調整員と引場シニアも同行し、フィリピンボランティア調整局(PNVSCA)に表敬訪問しました。昨年は、副局長から調整局の内容の説明があり、それを要約して学生に伝えることに苦労しましたが、今回は、De Vera局長から調整局の内容の簡単な説明がありました。その後の話は、もっぱら学生隊員の受け入れを正規の協力隊員と同様の形式で行うための手続き等のことになりました。このことは、フィリピン側としても、学生隊員の受け入れを歓迎していることを示していると思われました。大学側としても更なる支援を考える必要を痛感したしだいです。一方、学生隊員にとっては、このプロジェクトに対するフィリピンサイドの熱意が感じ取れたことであろうと思います。

ボランティア調整局正面玄関 局長、副局長を囲んで

次いで、国家酪農局(NDA)を訪問しました。副局長のTorretaさんが私たちを歓迎してくださり、NDAの活動やフィリピンの酪農の概要について説明していただきました。まだ、フィリピンの酪農の現場に接していない学生隊員にとっては、これからの活動の良い参考になったと思われます。途中で会議を抜けて、局長のBulataoさんも挨拶に来られ、再会を喜び合いました。お忙しい中、挨拶されることを思うと、この学生派遣のプログラムに大きい期待をかけていることがわかります。

国家酪農局にて
副局長から説明を受ける 記念撮影

その後、この敷地内にある人工授精センターを見学させていただきました。ここでは、前回でお世話になった正規の隊員である前田さんから、牛の人工授精の現状等の説明を受けました。学生隊員は、すでに活動に入ったかのように、大いに前田隊員や現地の方に質問をしていたのが印象的でした。(学生が帰国してからわかったのですが、別のプロジェクトで派遣されている前田さんに大変お世話になったようです。)

人工授精センター 現地スタッフに質問する隊員
後ろ姿がお世話になった前田隊員

少し遅い昼食後は、ハードで初めての経験続きとなった学生隊員らは少し疲れ気味であることから、引場シニアの計らいで自由行動となりました。

大学で借り上げた車(運転手、通訳、ガイドを引き受けてくれたのは、昨年と同じエルモさんです)でスペイン統治時代の面影を残すマニラ大聖堂付近やマニラ湾の海岸辺りを散策し、つかの間の息抜きとなりました。今日、2箇所の政府機関を訪問して特に感じたことは、昨年にも増して学生隊員によるボランティア活動に大いなる期待が寄せられていることでした。

散策の途中 少年たちと隊員  サヤインゲンが付いているような木

3月9日(木) 晴、いよいよ任地であるロスバニョスに向けて出発です。引場シニアが同行し、10時前には、フィリピン大学にある酪農研修研究所(DTRI)に隣接するJICA-JOCV事務所に到着しました。すでにそこには、酪農開発強化プロジェクトのリーダーであるDr.Bautistaさん(ジョバウさん)を初め、現地で学生隊員とともに活動する多くのCPや技術者が集まっておられました。何にも増して驚いたことは、前回には表敬訪問しか出来なかったフィリピン大学酪農畜産学部・学部長のDr.Roxasさんまでもが事務所に来ておられ、オリエンテーションの冒頭で激励の挨拶を受けたことです。さらに、昼食会にも他の現地の方々と共に出席されたことは、学生隊員の派遣プログラムに大きい期待を持たれていることの表れと思われます。ジョバウさんからプロジェクトの概要の説明を受けた後、引場シニアから各隊員の仕事内容とそれに携わる方々の紹介がありました。引き続き、各隊員は、紹介された共に活動する現地の方々と慣れない英語で打ち合わせなどを行い、すでに活動に入っているかのようでした。

学部長から激励を受ける   ジョバウさんから説明を受ける

昼食会後は、引場シニアの仕事の都合上、隊員と共に乳製品工場(KKMI)とマリナオにある配合飼料製造所を見学することとなりました。両見学場所も前回の隊員がホームステイしたところであり、非常に懐かしく思えました。前回の報告書に記載した中で、KKMIでの写真に、“ポスターの裏は?”と付記していますが、そのポスターの裏も無事にそのままの状態でした。前回には、稼動していなかった飼料配合機は、部品の調達ができ修理中で、すぐに稼動するようでした。このプロジェクトが少しずつ軌道に乗ってきているものと思われます。前回ここに長くいた学生隊員に見せてやりたい思いがしました。

昨年は稼動していなかった飼料配合機 修理中
スタッフから説明を受ける
KKMIにて 左の部屋が昨年の
乳質班のステイ先
ジミーさんから説明を受ける

再び、DTRIに帰り、ジョバウさんから乳牛(特に種雄牛)の改良の説明を受けましたが、品種名も隊員にとっては分からない状況でした。他の専門用語も含め、もう少し事前の勉強が必要なのか、分からなければ現地で聞き返すことによって、より会話が出来ることになるのか、私にとって迷うところです。

いずれにしても、学生隊員を現地でサポートするには専門用語を訳し説明することが引率教員の役目であると思われます。

3月10日(金)マニラは晴れていますが、ロスバニョスの山に雲がかかっていますので、向こうで雨に会うことでしょう。8時にホテルを出発し、途中、タランバのNDA事務所を訪問し、昨年お世話になったスタッフに挨拶をしました。ここの方々もこんなに早く再度、学生隊員が来たことへの驚きと共に期待が大きいことが感じ取れました。

DTRIでは、すでに学生隊員が業務についていました。宇井、桜木両隊員は、ジョバウさんからこれからの計画の説明を受けていましたが、専門語が多く、少し日本語が分かるジョバウさんであっても、隊員に理解させることに苦しんでいるようでした。隊員が疑問に思うことや理解できなかったことを昼食後に教えることになりました。さらに、分からない事については、私が帰国後、メールで知らせこととしました。志知、大岡両隊員は、CPのEmataさんからDTRIに隣接する乳製品工場で施設の説明や乳質検査の方法等、これからの活動に必要な作業の説明を受けていました。4名の隊員は、それぞれノートにメモを取り、積極的に質問をし、少しでも早く業務内容を理解しようとしている様子が印象的でした。このような積極的な態度で臨めば、後2週間程の活動も順調に行くものと確信したしだいです。

ジョバウさんから講義を受ける
宇井、桜木隊員
オリーブさんから説明を受ける
志知、大岡隊員

午後はJICAマニラ事務所に引きかえし、吉田次長と若林調整員を交え、今後、この学生派遣事業を継続するには、どのような方法が有るのか、今までの反省点等を踏まえて種々問題点を話し合いました。メモ書き程度に話し合った事項をまとめ、大学とJICAの双方で再度検討し、24日にフィリピンに来る石橋理事に確認していただくこととしました。内容の最も重要なことは、正規の協力隊員と同様の受け入れ体制を作ることであろうと思います。

3月11日(土) 晴、ロスバニョスの山にかかる雲も少なく雨の心配は無いと思っていましたが、私たちがサンフランシスコに出かけている時に凄いスコールがあったとのことです。

今日で我々が現地で隊員の様子を見る最後の日になってしまいました。DTRIは、休日でしたが、桜木、宇井両隊員は、JICA-JOCV事務所でコンピューターに向かい、今までのデータのチェックや入力を行っていました。データベースを作るという地道な努力が牛群の改良に繋がることの実感がまだ十分に出来ていないようでしたので、正確なデータベースを構築する重要性や、種々のデータベースが必要であることを再度、理解してもらうように話をし、その一端を担っていることを認識してもらいました。この両名には、昨年と同様に休みであるにもかかわらず、研究助手のアイオニさんが常に付いておられ(また、ステイ先でもある)、種々お世話をしていただいていることに心から感謝します。

ちょっと一休み  ピンクの花を付ける木

志知、大岡両隊員は、実際にアイダさんの元、乳質検査の業務を行っていましたので、邪魔にならないように早々に退散しました。

午後、花田先生の希望もあり、一般的な酪農家を見学することとなり、サンフランシスコの農家(前回、粗飼料班の2名のステイ先)に出かけました。CPのコリンさんを始め、家族の方々は、皆さん私を覚えていてくださり、前回の隊員の様子を尋ねられたりしましたが、花田先生や通訳を通して何とか対応できました。本当に感激している様子であり、この親切さが隊員の活動を支えたくれたものと実感しました。今回は、乾季であることからか、前回よりも衛生管理がよく出来ていたと思いました。特に、雨季のことを考え、排水を如何にするかを考えて牛舎などが作られていることが理解できました。すなわち、それぞれの国での実情に合わせた無理をしない経営をしている様子で、さらに、改善されていくであろうと思い、また、訪れてみたい気持ちになりました。

サンフランシスコにあるコリンさんの家族  昨年、粗飼料班がお世話になった方々。 皆さん覚えていてくださり感激しました。

DTRIに引き返してみると4名の隊員は、まだ活動を継続していました。志知、大岡両隊員は、アイダさんと今日の検査のまとめとチェックを、桜木、宇井両隊員は、データの入力を行っていました。この熱意をあと2週間持続させるには、健康管理を十分にするように、また、あまり悩まないように現地の方々と良く話をするように注意をして別れることとしました。休日でありながらも学生隊員の活動に同行していたアイオニさんとアイダさんに見送られ現地を後にしました。

帰りの車窓から
山の麓のロスバニョスをあとにして 垂れこめた雲の下はスコールでしょう

3月12日(日) 晴、引場シニアの見送りを受けた時、残してきた学生隊員をくれぐれもよろしくお願いし、マニラを出発しました。定刻より若干遅れたものの無事成田に到着し、最終のバスで羽田に向かい、ホテルに入りました。

搭乗受付ロビー ルソン島にかかる積乱雲

3月13日(月)花田先生は、早い便で帯広へ向い、私は次の便で帯広に帰着し、一休み後、大学に帰国の挨拶を出向きました。

これで今回の引率教員の任務は、終了となりますが、学生隊員が全員無事帰国するまで見守っていくことや、帰国後の行事などを計画・実施することがまだ残されています。

 

最後に

3月11日に私と花田先生は、現地を離れたが、学生隊員は、その時点でまだ2週間以上滞在し活動することになっていましたので、急激な環境の変化と充分な会話が出来ない状況で体調を崩し、充分な活動が出来ないのでは不安が残りました。しかし、昨年にも増して、若林調整員、引場シニア、プロジェクトリーダーのジョバウさん、女性隊員を昼夜お世話してくれているアイオニさん、更に多くのスタッフの暖かい援助が期待されましたのできっと有意義な生活を送り、一回りも大きくなって帰国するものと確信していました。下に示した花のようにすばらしい輝きが見られることでしょう。

3月24日に開催された現地での最終報告会の様子が知らされ、全員無事に生き生きした写真を拝見した時、本当に一回りも二回りも大きく成長したと感じました。前回は、私も学生隊員と同様、3週間滞在しましたので、その時々の成長する様子が分かり、学生派遣が成功したことを実感しましたが、今回もこの事業が前にも増して成功したと思われます。

2回にわたる学生派遣事業は、フィリピン、日本両国の多くの方々のご協力があって初めて成功裡に終わることが出来たことを深く心に留めておかねばなりません。改めて御礼を申し上げるしだいです。また、これほどの関係者のご支援を頂いた本事業をこのまま終わらせること無く、継続されることを強く望み、この場をお借りして関係者の方々に深く御礼申し上げます。


 
  白い可憐な花
 
香りがよく束にして車に置く人もいます

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