派遣学生による実習記録

濃厚飼料班 派遣した学生隊員

高橋伸彰隊員
大学院修士1年
石亀貴史隊員
獣医学科3年

フィリピン海外実習 実習日記

濃厚飼料班 高橋 伸彰

我々はフィリピン国酪農開発プロジェクトの家畜育種分野の濃厚飼料班の一員として約2週間、フィリピンのラグナ州を中心に実習を行いました。現地での生活は、日本で体験できない新鮮なことばかりでした。 特に、フィリピンの方は、みんな明るく、ホスピタリティーで、物質的には、貧しいかもしれないけれど、心は日本人よりも豊かであろうことを実感しました。

1.活動内容

濃厚飼料班の目的は、フィリピンの乳牛の濃厚飼料の質を改善し、最終的に乳牛の乳量を増加させることでした。しかし、右も左もわからない我々は、青年海外協力の「家畜飼料」の一員として活躍されている清水舞さんと一緒に行動して、活動の手助けをすることが我々の主な仕事となりました。清水さんと我々2名は、濃厚飼料に関して全く知識がなく、現地の人に教えてもらいながら、仕事を行うという感じでした。 現地の方から学ぶことのほうが多く、技術協力には、程遠い活動でした。

↑清水舞さん。明るくて、素直で、天真爛漫な方でした!!

写真の牛は水牛です。

 

協力隊の方と行った主な活動内容は、以下の通りです。

(1)濃厚飼料の分析

現地で製造されている濃厚飼料とその原料の化学分析です。我々は、現地の濃厚飼料の栄養価を認知するためにセブ島のカランバ近郊にある3つの会社の乳牛の濃厚飼料とその原料をフィリピン大学の研究施設にて分析を行いました。 分析した項目は、タンパク質のみです。 現地の大学は、4時までしか水が使うことができず、日本の大学のように1日中、実験を行うということはできません。 また、停電も頻繁に起こり、復旧するまで1時間以上かかるのは、当たり前で実験もなかなか進みませんでした。日本の大学の施設がいかに恵まれた環境であるか実感できました。

↑飼料を粉砕する機械。JICAから支給されたもの。

↑窒素を測定する機器。ケルダール分析機という

↑濃厚飼料の乾物重を測定しているところ。

 

(2)現地の濃厚飼料会社の聞き込み調査

 我々は分析の他にも現地の濃厚飼料会社の現状を把握するために、3つの会社への聞き込み調査を行いました。 会話はもちろん英語。どの会社の方も親切な方ばかりで、飼料のデータや製造過程など丁寧に教えてくれました。 どの会社も乳牛以外の豚、鳥などの濃厚飼料に力を入れているところが多く、まだまだ乳牛がフィリピンでは、普及していないことが実感できました。

↑マニラオにある濃厚飼料会社。会社も小さく小規模で経営を行っている。

↑マニラオにある濃厚飼料会社の工場。衛生状態はあまりよくない。

↑ マニラオの飼料を粉砕するミキサー。 ↑ルヨスにあるSmacoという飼料会社。今回調査した資料会社では一番大きい会社だった。写真はミキサー。マニラオのものより大きいのがわかる。

 

(3)その他

他の活動として、実際に酪農家をまわり、どのように濃厚飼料を与えているか、どのくらいの濃厚飼料を与えているか等の調査も行いました。各酪農家によって飼料の配分や給餌方法は、様々でした。また、濃厚飼料とは関係ありませんが、搾乳を行っているところや人工授精を行っているところなどを見学しました。 さらに、実習の中間と最後には、英語によるプレゼンテーションも行いました。

↑農家の方から直接話を聞いているところ。 ↑搾乳を見学。1つのミルカーを3、4件の酪農家が一緒に使うこともあった。1件あたりの飼育頭数は5〜6頭と非常に少ない。

 

2. 現地での生活

現地での生活は、ホームステイでした。1つのベットを2人で使用したり、シャワーがなくお湯が出ないのは当たり前。 日本の生活に慣れている自分にとって、最初は戸惑いましたが、「住めば都」で2,3日もすると慣れてしまいます。 我々のホストマザーは、おばあちゃん。 我々のことを自分の孫のように面倒を見てくれました。 年配の方だったので英語はあまり通じず、タガログ語での会話でした。全くわからなかったのですが、ボディランゲージでなんとか意思の疎通には、困ることがなく出来るようになりました。また、ホームステイ先には、近所の子供達が集まって、常に、数え切れない子供達が、家の中ではしゃいでいるという、アットホームなホームステイでした。土日は完全に休日で、班のみんなが集まって海水浴に行ったり、町に出てショッピングをしたり、ホームステイ先の子供達とプールに行ったり、バトミントンをしたり、ダンスを踊ったり、果樹園にて果物を採取したり、オカマショーを見たりして楽しい日々を過ごしました。

↑ホストマザーのおばあちゃんとチークダンスを踊る。

↑ホームステイ先の子供達。みんな明るく元気いっぱいでした。

↑果樹園にてランブルタンを採取する。フィリピンの果物は種類が豊富で値段も安くおいしかった。

↑休日に班のみんなと海岸で。台風の通った後で、海はあまりきれいではなかったです。

 

3.最後に

この実習に参加して多くの貴重な経験をし、そしてかけがえのない出会いを体験しました。この実習に参加したことにより、一回り人間として大きく成長できた気がします。 もし、少しでも頭の中に海外に行ってみたいという気持ちがある人は、ぜひこの実習に参加することをお勧めします。 「自分には専門知識がない」といった不安を抱えている方もいるでしょう。 でも、この実習に参加した我々も誰一人として専門知識を備えた人物はいなかったのです。一番大事なのは、「海外に興味がある」という事実でしょう。この実習を通じて、自分の気持ちが「海外で自分の力を試してみたい」、「海外でも十分自分はやっていける」となれば、この実習はJICA側としても大成功だと思います。 英語の能力はなくても、積極的にコミュニケーションをとることさえすれば、現地の人は受け入れてくれるはずです。 自分の能力とか専門とかを気にせず、とにかく「海外に興味」があり、やる気のある方は、ぜひこの実習に参加することをお勧めします!!

 

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