派遣学生による実習記録

繁殖班 派遣した学生隊員

梅下雄介隊員
チームリーダー
獣医学科5年
浅野智由隊員
獣医学科5年

フィリピン酪農開発プロジェクト・短期派遣協力隊
  繁殖チーム実習記 〜梅下編〜

梅下 雄介、浅野 智由

はじめに

 海外実習の募集から実際に派遣される日まで、説明会や勉強会などがありましたが、現地の状況を把握できたのは、実際に活動してからでした。それ故、この実習記では、派遣前の情報と派遣後に得た情報を並べて書いてみようと思います。

日程

2005/8/21〜9/13 の日程でフィリピン酪農開発プロジェクの短期派遣に参加

派遣チーム

派遣前

10名を繁殖、育種、乳質、粗飼料、濃厚飼料の5班に分け、現地ではそれぞれの班に既派遣の正規協力隊員とフィリピン人カウンターパート(CP)がつく予定でした

派遣後

派遣にいたるまでに状況が変化し、協力隊員は、濃厚飼料班以外つかないことになりました。可能であれば、協力隊員がそれぞれの班についたほうが、よりスムーズに仕事が進むと思われました。

首都マニラの街並み

 

言語

派遣前

現地語はタガログ語。英語はほとんどすべての人が話せますので、会話は英語で行うことが出来ます。また、募集要項によると「英語力は問わない」でした。

派遣後

派遣にいたるまでに、現地での報告会は、英語で行うことになり、初めと話が違うではないか?ということでした。今後、派遣される方、英語は非常に重要なので行く前にとことんやっておきましょう。 また、現地語のタガログ語は、使わなくても良いと思っていましたが、現地の人たちとのコミュニケーションのきっかけには、英語よりウケが良いですからぜひ覚えていきましょう。 「旅の指さし会話帳」(情報センター出版局)がとても重宝でした。


フィリピンの乳牛たち・・・?

 

活動内容

派遣前

フィリピンの酪農状況を把握し、国内生産乳量を増加させるため5班に分かれ技術指導をする。具体的にどのような活動をするかは、実際フィリピンへ行ってみてからでないと解らない、ということでした。これは、現地の状況がその時によって変化するためで、必要なのは、事前の準備よりも現場の変化に適応できる柔軟性である、ということでした。 しかし、少しでも事前に何が必要かを把握し、それについて調べていきたいと言う気持ちがあり、言っていることは理解できるが、もっと状況を把握したいという状況でした。

 

人工授精をしているところ

派遣後

繁殖班の活動内容は、平日は周辺の農家へ車で移動し、CPが農家さんと世間話をしながら、牛の様子や飼育方法等についての情報収集、指導をしていきます。我々はそれを見ながら質問し、気がついたことや疑問点をまとめておき、後でそれについて話し合う、といった形でした。 土、日曜、祝日は、基本的に休みでしたので、空いた時間に日本製のホルモン製剤や乳房炎薬の取扱説明書を英語に翻訳しました。 当初の派遣内容は技術指導でしたが、CPの技術や知識は、低いものではありませんでした。 また、農家さんへの指導は、長い時間をかけて信頼関係を作り、現地語で会話をしなければ、まったく聞いてもらえない、と感じました。 これらのことから、短期派遣で求められることは、情報収集、フィリピン酪農に関係する方々への刺激剤になること、自分が様々なことを感じ、国際協力に対して意識を高めることと思います。

 

フィリピン酪農状況

飼育頭数 1〜300頭 規模により搾乳は手絞り、複数農家でミルカーを共用、充実した搾乳機で行う
1頭あたりの乳量 8〜20 l / day 気候が暑いため100%ホルスタインは不適牛の体調、栄養状態、搾乳技術などに問題
人工授精 受胎率低い 牛の健康状態が一番の原因と考えられる
病気 乳房炎、繁殖障害、ダニ、蹄疾患など 飼育環境、技術、意識などの原因は、根が深く長期で取り組み、改善する必要がある

 

生活

派遣前

当初の予定では、派遣隊員の負担を減らすため、ホームステイの日数をできるだけ少なくする予定でした。また、休みに関しては、原則、週休二日であるが、現場では休めないこともあり、現場の動きに合わせてもらう、とのことでした。


一つのショットグラスを回して飲む
フィリピンスタイルでいい気分

派遣後

実際のホームステイ日数は、2週間でした。ホームステイは、コミュニケーイションをとるのに絶好の機会ですので、私は長ければ長い方が良いと思います。我々が寝泊りした場所は、オフィスでしたが、ガードマン1人とスタッフの何人かが泊まっていましたので、話し相手には困りませんでした。派遣を受ける側としては、こちらが何を考えているのか?どんなことを知りたいのか?何をしたいのか?と言うことが解らないと、どう扱ったらいいか困ってしまうそうです。それ故、自分の意思をどんどん表現した方がよいと思います。フィリピンの方たちは、非常に愉快で冗談好きでした。朝から晩まで会話の節々に冗談を交え、楽しい気持ちにしてくれます。我々、派遣隊員は、贅沢なほどにもてなされていたと思います。

 

感想

今回のフィリピン短期派遣は、自分にとって非常によい刺激となりました。援助を必要としている国を実際に見聞きして、頭を悩ましたこの経験は、とても重要なものだと思います。また、考え方など違うところもあり、あらためて異文化と接することは大事だと感じました。

 

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