第4回派遣活動 - その9 -

現在フィリピンで行われている派遣活動について、現地からリアルタイムで報告します。下から古い順になっています。以前のものについては下のリンクからたどってください。

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第4次隊の派遣スケジュール

9月18日(火) 活動の総仕上げです。(最終報告会

 今日はいよいよ最終報告会の日です。
 午前中は、皆、JICA事務所でスライド作成(最後の仕上げ)に集中です。


 スライド作成:発表前の
 最後の仕上げ










 午後は、DTRIの講堂で、先ずは私(木田)のセミナーです。テーマは、『Mastitis − Its danger of the money loss』。約2時間の講演の前半は体細胞数と細菌数の増加がもたらす経済損失について、後半は正しいミルカーの取り扱いについて、現地で撮影した搾乳光景のビデオや搾乳ユニットの実物を用いて解説をしました。ビデオには知り合いの姿が写っていたこともあり、各地からの参加者には大変好評で、正しい搾乳方法が理解できたと絶賛されました。
 なんとDTRIに隣接する水牛研究センターのスタッフからは、『明日、ロスバニョスを離れる前に、こっちでも講演をしてくれ』との強い申し出があり、早朝セミナーをお引き受けすることにしました。まさに、うれしい悲鳴とはこのことです。
 




私のセミナーの1コマです。
(ミルカー装着法の解説)






 小休止を挟み、いよいよ、学生隊員の発表です。
 トップバッターは、高瀬隊員です。
 ホームステイ先の牛群とDTRIの牛群の繁殖成績についてJMRプログラムを用いて問題点を分析し、発情発見率の低いことが全体の繁殖成績を低下させている。もしも、繁殖管理が適切に実行されれば、経済効果もきわめて大きくなることを具体的な数値で示しました。
 質疑では、大変示唆に富む内容であるとのコメントをいただきました。


 2番目は、田原隊員です。
 DTRIの牛群と一般酪農家の泌乳曲線を解析し、いくつかの特性を提示しました。すなわち、一般酪農家では、泌乳のピークがない直線的な泌乳曲線で、雨季分娩牛で乳量が多い。一方、DTRI牛群は曲線型で、乾季分娩牛の方が乳量が多く、さらに繁殖成績も乾季分娩牛の方が良好である。両牛群におけるこれらの違いは、おそらく遺伝的な能力だけでなく飼養管理(濃厚飼料給与の有無)や飼育環境の違いによるものであろう。
  いずれにせよ、このような育種の仕事は重要であり、そのためには何よりもデータの蓄積が不可欠であることを提起しました。

 3番手は、茂木隊員です。
ネピアグラスの給与方法に注目し、青刈り野積み状態で給与したときの時間の経過に伴なう栄養損失についてCP(粗たんぱく質)とNDF(中性デタージェント線維)を分析した。 
 その結果、1日以内に摂取させれば、栄養成分に差がないことが確認された。また、現地での観察から、農家は濃厚飼料を水に混ぜて摂取させているが、どうも、牛は濃厚飼料ではなく、水を飲みたがっているようであることを報告しました。
 会場からは、臭いや味の変化はないのか、もっと日数が経過したらどうなるのかなどの質問が出されました。


 4番手は、梅本隊員です。
 CP含有料の多いマメ科牧草を給与している牛は、乳量が多いことを明示し、もっとマメ科牧草を使えば、飼料コストを低減させられるという提案をしました。併せて、自身がホームステイした農場の放牧地に空き缶などのゴミがたくさん落ちていることを指摘し、創傷性疾患や蹄病の危険性が高いことを示しました。



 5番手は、 河野隊員です。
 自分のホームステイ先の牛群において総菌数と体細胞数を調査し、搾乳衛生との関連性を検討した。特に、ミルカー点検によりミルカーの洗浄方法の問題点を明らかにし、実際にその方法を取り入れてみたら、細菌数が減少したことを示しました。




 最後は、隊長の黒田君です。
 滞在先の搾乳センターを中心にティートディッピング液の使用法について調査を行ったところ、よりコストを下げるためにディッピング液を希釈して使用してその効果が失われている。そこで、搾乳センターにディッピング剤の一括購入をしてもらい、それを希釈小分けすることにより安価に農家に提供するように提案し、すでに実行に移されていることなどが報告されました。また、ディッピング剤の使用による乳質向上効果についても調査したが、短期間であることと調査牛群がもともと搾乳衛生に熱心に取り組んでいたためか、必ずしも顕著な改善効果は確認できなかった。しかし、この手順は現在も継続されており、指摘事項を実践に移しそれを継続してもらうためには、農家との信頼関係の構築が重要であることも報告していました。

 プレゼンテーションの最後には、第4次態の活動のクロージングセレモニーがあり、ジョバウさんの司会により、隊員各自に活動の修了および感謝状が授与されました。

 感謝状を手に、安堵と達成
 感の表情の隊員と私











 現地での活動の全てが終了しました。会場を再びJICA事務所に移し、フィリピン側スタッフから心のこもったお別れパーティを開いていただきました。至る所で、写真撮影。お世話になった皆さんに感謝感謝です。
 いつまでも名残は着きませんが、明日はいよいよロスバニョスを離れなくてはいけません。もうそろ、お開きにしましょう。

報告:木田(引率教員)

9月17日(月) 最終報告会に向けて

 今日は、終日、ファイナルレポートの作成です。午前9時には全員JICA-JOCVオフィスに集合し、活動成果の取りまとめと、そのプレゼンテーションスライドの作成を行いました。気がつけばもうお昼。また気がつけば、もう夕食の時間と、あっという間に一日が過ぎました。
 収集したデータから何をアピールしようか、どのように説明すると言いたいことが伝わるか、それを英語でどう表現しようか・・・と、正規隊員の皆さん、アイオニさん、ジョバウさんそしてエルモさんの助言をいただきながら真剣にまとめていました。(これほどの集中は、帯広では体験できないかも・・・・・失言でした)
 写真:プレゼンテーション作成に集中する隊員

 川瀬隊員と正規隊員の小路さん












         梅本隊員と茂木隊員




 黒田隊員と河野隊員











  田原隊員と正規隊員の浦辺さん







 夕食は、エセルさん(ホームステイ先)宅で、正規隊員の皆さんも一緒にパーティです。エセルさんの手作り料理に、”美味しい””美味しい”の声があがっていました。こんなに盛り上がって、明日の発表は大丈夫か(?)というのは、教員の性でしょうか・・・。
 写真:パーティにて(浦辺さん、小路さん、アイオニさんと一緒に)

  正規隊員の浦辺さん、小路さん、
  DTRIのアイオニさん、そして隊員
  たちです。こんなにはじけて、明日
  は大丈夫(?)







報告:木田(引率教員)

9月16日(日) 隊員全員がロスバニョスに集まりました

 今日は、最後の休日です。とはいえ、DTRIで活動中の女性隊員3名(茂木、梅本、田原)は、休日返上でファイナルレポートの作成。
 私はエルモさんと共に、男性隊員3名(河野隊員;チャオン、黒田隊員;サリアヤ、そして高瀬隊員:サンフランシスコ)をホームステイまで迎えに行ってきました。

 チャオンのアルマンさんのお宅は、私自身も昨年訪問して搾乳方法や飼養管理についてお話しし、また私のセミナーにも参加いただいていたこともあり、一年ぶりの再会に懐かしさもひとしおでした。アルマンさんの農場は、今や地域のリーダー的な酪農家であり、乳質も現在ではAランクになっているそうです。昨年実施した乳房炎対策のセミナーが少しは役に立ったのかと内心自己満足の自分でした。

 ひと仕事なし終えたあとの別れは、いつも感動的なものです。心の交流が深い分、いつまでも名残は尽きません。隊員それぞれのホストファミリーとの別れの場面に立ち会うと、まさに人と人の交流に言葉の壁などいらないことを感じます。(写真 それぞれの別れ)。

  高瀬隊員:サンフランシスコ












 黒田隊員:サリアヤ











 河野隊員:チャオン










 皆、まさに後ろ髪を引かれる思いで、それぞれのお宅を後にしたようです。
 夕刻、今夜からの滞在先DTRI職員のエセルさん宅に全員が終結しました。今夜は、全員再会を祝っての夕食会になるとのこと。夕食前のおやつに、フィリピンの家庭料理(もち米団子にココナッツミルクジャム(ラティックと呼ぶそうです)をつけて食べるシーノックマニ)をご馳走になりました。ちょうど、おはぎの様な食べ物で、冷やして食べると一層おいしくいただきました(写真 お菓子の前の全員)。

      手作りお菓子を囲んで









報告:木田(引率教員)

9月15日(土) 活動も終盤になりました

 活動の総まとめの様子を今日から1週間、引率教員の木田からご報告します。
 出発前には、『今年も台風に向かって飛んでいくのか・・・』と気をもみましたが、幸い揺れることもなく安定したフライトで予定どおりフィリピンに入りました。猛烈な暑さと湿度、親切にいろいろ聞いてくれる警官−フィリピンに来たことを早速実感しました。混雑する空港でしたが、コーディネーターのエルモさんとも難なく合流でき、幸先のよい予感がします。

 早速、学生の様子を尋ねると、皆元気とのことで、まずは一安心。今日は週末ということもあり、私の迎えに便乗して女性隊員3名(梅本、茂木、田原)がマニラでショッピング中とのこと。早速、巨大なショッピングモールに向かい、彼女たちと再会しました。また、その場で、まだホームステイ中の、男性隊員(黒田、河野、高瀬)とも電話で話をし、それぞれが元気でやっていることを確認しました。私も、虫除けの軟膏やトロピカルフルーツを購入し、フィリピンモードにスイッチオンです。

 マニラからの道程は予想どおりの渋滞で、ロスバニョスに着く頃には、すっかり日も落ち、マニラでは物足りなかったカーエアコンの風も、いつの間にか肌寒く感じられるようになっていました。日本よりは暗く感じられるロスバニョスの市街地を抜け、生い茂る熱帯の樹木に囲まれた大学宿舎(SEARCA)にチェックインして、私の長い1日も終わりました。
 明日は、男性隊員3名それぞれのホームステイ先の訪問です。
  名前は、分かりませんでしたが、
  宿舎周囲の木々から垂れ下がって、
  美しさを放っています。

報告:木田(引率教員)

  

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