データ・資料等

1.生きた病畜の獣医学教育への応用

 搬入された病畜は獣医学課程5年生を対象とした必須科目「総合臨床獣医学および総合臨床獣医学実習」に供され、学生の教育に有効利用された(下の写真参照)。また、3~4年次の獣医病理学実習および4~5年次の獣医内科学実習の一部においても、病畜を用いた授業が実施されており、大動物の構造・機能および病態の理解に役立った。平成17年度~19年度末までに約130頭の牛と馬が搬入されている。


総合臨床学実習での病畜の治療


産業動物総合画像診断車での
病畜の検査


総合臨床学実習:病理解剖後の討論

2.教育学的効果

 学生自身に「触らせる」「考えさせる」ということが大きな教育効果を上げている。とくに現在の獣医学教育においては、多くの大学で小動物を対象とした臨床獣医学教育が行われているが、獣医師でない学生が飼主の家族の一員として飼育される小動物病畜に触れ、処置を行うことは獣医師法上困難である。この点、大学に搬入・譲渡された大動物を用いた実習においては、病気の動物を学生が納得いくまで身体検査を行い、病態を自ら考えた上で、各種処置を行うことが可能であり、学生の自主性を十分に引出すことができている。実際、症例検討会では学生自ら診断を下した症例について、自主的なとりまとめと、質疑応答に耐えるために周辺情報の検索を十分行ったうえで発表しており、さらにその一部については学会等において発表するまでになっている。

十勝毎日新聞 平成19年5月21日

 平成19年5月18日には十勝NOSAIとの共同研究課題である「難診断病畜の臨床病理検索」の平成18年度報告会が帯広畜産大学原虫病研究センターPKホールにおいて行われ、すべて学生が症例を取りまとめ発表した。(上写真および新聞記事)

学生が発表した症例報告
  1. 野口暁子 拡張を伴わない乳牛の心筋症の1症例
  2. 青木大介 分娩6ヶ月後に心不全を発現した乳牛の心奇形の1症例
  3. 山川和宏 全身性皮下気腫がみられた乳牛の肺炎の1症例
  4. 出口祐一郎 臍帯からの感染を疑う子牛の2症例
  5. 小西健治 典型的なアミロイドーシスの症状を呈した乳牛の2症例
  6. 村田征周 アミロイドネフローゼを疑った腎炎2症例
  7. 久保田直樹 典型的な症状を示した牛白血病の3症
  8. 田川道人 体表リンパ節腫脹が顕著ではなかった牛白血病の2症例
  9. 舟戸慎悟 臨床的に大脳皮質壊死症を疑った牛の神経病理学的検索
  10. 山田倫明 育成牛の股関節前下方脱臼の1症例

3.卒業生の就職先実績および各大学の診療頭数の比較

本学獣医学科卒業生のうち
産業動物関係の仕事に就職した者の数の推移

  15年度 16年度 17年度 18年度 19年度
農業団体
(産業動物診療)
1 4 7 7 6
国家公務員 2 1 2 0 0
地方公務員 9 6 8 5 5
12 11 17 12 11

国公立獣医系大学付属家畜病院における牛と馬の診療頭数
(全国家畜病院長会議資料より)

  動物種 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度
(1月末まで)
帯広大 1015 1120 739 1551 1666
199 106 245 209 141
北大 18 72 130 165 146
0 1 0 0 1
岩手大 954 544 1015 855 798
66 57 54 28 28
東大 0 0 0 1 0
2 3 0 0 0
農工大 0 0 0 0 0
17 16 1 4 5
岐阜大 0 0 544 411 242
0 6 0 1 1
鳥取大 20 15 777 10 6
23 72 35 27 34
山口大 4 21 14 8 7
0 1 41 0 8
宮崎大 10 25 83 114 115
1 1 0 1 1
鹿大 68 69 18 30 102
30 30 24 28 22
府立大 0 0 2 2 0
2 8 10 2 1

4.帯広畜産大学における大動物診療関係の施設


産業動物総合画像診断車


大動物手術室


大動物病理解剖室


BSE検査室


3次元CT