取組に関連する今日までの
教育実績や実施体制等の経緯

1.取組に関連する今日までの教育実績

 本学ではこれまでに大動物臨床獣医師を目指して入学する学生が多く、また卒業後は大動物に関係する分野へ就職する学生が多い(データ、資料等③)。このような大動物臨床獣医師を目指す学生に対して、多くの生きた大動物病畜を用いた実践的な臨床獣医学教育を実施してきた。

 とくに平成16年度からは学内にBSE検査実施施設を整備し、BSE検査実施が可能になった。本学ではこの特色を生かし、年間約30頭の生きた成牛を教材にした、より実践的獣医学教育を行い、食の安全・安心に関わる大動物獣医師および専門職業人として活躍する人材を養成している。

 さらに平成17年度からは地元十勝農業共済組合との共同研究「難診断病畜の臨床病理検索」を実施しており、臨床現場で診断が困難であった病畜を随時大学に搬入し(平成19年度末までに約130頭)、実習等の中で学生自身に「触らせる」「考えさせる」ことを通じて大きな教育効果を上げている。現在、多くの大学においては小動物を材料とした臨床獣医学教育が行われているが、獣医師資格をもたない学生が小動物患畜に触れ、処置を行うことは獣医師法上困難である。この点本学に搬入・譲渡された大動物を用いた実習では、学生は納得いくまで病畜の身体検査を行い、病態を自ら考えた上で各種処置を行うことが可能であり、学生の自主性を十分引出すことができている。実際、症例検討会では学生が、自ら診察した症例について自主的にとりまとめ、周辺情報の検索を十分行ったうえで発表しており、さらにその一部については研究会および学会においても症例報告として発表するまでになっている(データ・資料等①②)。

2.実施体制等の今日までの経緯

 本取組は帯広畜産大学がこれまで時間をかけて整備してきた全国屈指の大動物診療関係の施設を基盤としており、現状でも大動物総合画像診断車、大動物診療室、手術室、覚醒室、CT検査室、BSE検査室、BSE汚染防止対応の解剖室など恵まれた施設環境が確保されている(データ,資料等④)。また人的側面でも、臨床獣医学教員が分担して取組を支えるだけでなく、外部の臨床指導教授、関係研究室の院生・学部生等が有機的な支援体制を組織して取組の実施を支えている。また本取組ではその中心となる「総合臨床学」「総合臨床学実習」を開講する臨床獣医学教育に携わる教員を、学内附属施設、センターおよび事務組織が支援している。病畜の受入れや管理、解剖実習のための場所と設備は「附属家畜病院」が提供、またBSE検査は「大動物特殊疾病研究センター」が担当、「畜産フィールド科学センター」は健康家畜の管理提供で協力している。

 このような実際の取組に対して、大学の教育カリキュラムを企画運営する「大学教育センター」は、本取組とカリキュラム全体との関係を調整するともに、授業運営経費の確保、教育効果の評価と改善への支援を行っている。また大学事務局も必要な職員の配置、事務的処理の支援などで積極的な協力を行っている。