現代GPとの適合性

動機や背景

食の安全確保に貢献できる専門職業人を養成することが、本学の教育理念である。これは、多くの発展途上国で求められる重要な国家形成の基盤となるもので、同分野への国際協力の要望は非常に高い。これまでに、本学では、卒業生の青年海外協力隊参加、教員の派遣専門家、プロジェクト方式技術協力や国内集団技術研修の主催および研修員受入れなど、JICAの行う国際協力に大きく貢献してきている(「データ、資料等」1)。また、UNESCOなどの国際機関や海外の連携大学との協力関係を強化し、「食品安全科学」部門での更なる国際貢献の推進、国際専門職業人の養成、および、国際研究センター化を通じ、国内・国外の社会的要請に応えるべき体制強化を図ってきた。

 

取り組みの目的・目標と大学の理念との関連性

本学の教育理念である「食品安全科学」に特化した専門職業人養成は、来年度までに達成を目指す中期目標の最重要課題である。このような専門職業人の養成は、国内のみならず、これまでの国際貢献の実績に基づき、アジア地域を中心とした海外からも強く要望されている。この「食品安全科学」部門に特化した国際専門職業人を養成する本学の理念に基づき、専門性の高い国際貢献を実践的に果たすことができる人材を育成するために、1)学部・大学院教育、2)インターンシップ制度、3)国際協力の海外実践、を本案件の教育活動の中心目的に据えた。

本案件での教育活動を通じて、1)これからの日本を代表して国際協力を担うことができる人材の実践的育成強化、2)国際協力を取り扱う民間企業等への即戦力としての人材供給、3)民間の国際開発コンサルタント会社等の活動活性化が期待される。更に、海外での国際協力を産学連携によって施行するため、国内・国外での人材交流を積極的に推進することにもなる。本案件による教育活動は、「食品安全科学」部門に特化した国際専門職業人を養成する本学の理念のもと、人材育成と産学連携とをまさしく押し進めることとなる。

国際化が進展し日本の役割が世界の中で益々重要となっている昨今、この一連の教育プログラムは、これからの日本の国際協力を担う人材育成と産業界への人材供給という視点において、極めて意義深い教育活動であり、産業活動となることであろう。

 

取り組み内容の独創性と新規性

学部教育で国際協力を教育する大学は、拓殖大学や広島大学等、幾つかの大学において見受けられる。しかし、大学院教育において、全面的に国際協力教育を組織した大学はいまだ見受けられない。本学の大学院修士課程に「国際ボランティア特別選抜制度」を制定するよう、学内準備を進めている(「データ、資料等」3)。修士課程の「国際ボランティア特別選抜制度」は、青年海外協力隊員や国際連合ボランティア等に参加した国際協力経験を、特別枠として大学院修士課程に受け入れ、それぞれの問題意識や専門知識・技術を更に深めることを目指す。この「国際ボランティア特別選抜制度」は、本学独自の教育制度であり、国際協力経験者へのブラッシュアップ機能とサポートシステムも兼ねた効果を意図している。

本案件の教育活動の目的は主に3つである。つまり、1)本学で行う学部・大学院教育、2)本学と提携しているJICA、民間国際協力コンサルタント会社、国際協力銀行や国連機関へのインターンシップ制度、3)本学が組織・運営する海外研究教育フィールド拠点での国際協力の海外実践である。つまり、本案件の教育活動によって、派遣前から派遣終了まで間の一貫した指導が可能となる。この大学から現場までの一貫教育には、「食品安全科学」の専門教育から、国際協力の意義と協力手法、任地独特の文化や状況を理解し適応する能力の養成に狙いがある。また、これらの海外研究教育フィールドを増加し、地域や文化により異なる食の安全確保への国際的貢献が、より効果的に行えることにもなる。このような本学が今迄に蓄積した独自の連携・連帯を最大限に活用し、本格的に国際協力を一貫教育する体制は、本学の独創性であり新規性でもある。

 

実現可能性(具体的な実施能力)

1)学部教育と大学院教育は、シラバスに則って実行する。講義を担当する教員には、国際協力活動に豊富な経験を有する帯広畜産大学教員11名、JICA専門家5名、国際協力コンサルタント会社3名、合計19名で臨む。外部招聘教員とは平成17年度・18年度の契約を済ましている。このように、平成18年度から始める「国際畜産協力ユニット」における帯広畜産大学での教育は、滞りなく実施できるものと考えられる。

2)インターンシップ制度では、JICA帯広国際センターとは、国際協力に携わる人材の育成、技術協力プロジェクトにおける研修や人材交流を一層の推進を図るため覚書を平成16年6月に調印した(「データ、資料等」4)。JICA帯広国際センターでのインターンシップの受け入れ体制は完全に整っている。また、帯広畜産大学とJICA帯広国際センターとは、自転車で10分ほどの近い場所にあり、午前中は大学で講義を受け、午後からはJICA帯広国際センターで業務に携わらせるなど、頻繁にインターンシップを実施することも可能である。民間の国際協力コンサルタント会社、国際協力銀行や国連機関とは、インターンシップ受け入れ協定内容に関して、数社・数機関と現在交渉中である。経費的問題、学生受け入れ人数と時間数、業務内容の具体的なカリキュラム設定での最終調整に入っている。これらJICA帯広国際センター、民間の国際協力コンサルタント会社、国際協力銀行や国連機関に学生を派遣し、派遣先で職員と学生とが一緒になって、問題の同定、開発協力プラン作成、開発対象国との調整作業、申請書類の作成、開発対象国での協力活動、協力活動結果の評価法、協力活動成果の報告書作成と発表等に携わることにより、海外で即戦力となる人材を育成することが可能である。

3)海外研究教育フィールド拠点の形成についても、関連するプロジェクトは正式には未だ立ち上がっていない。海外でプロジェクトを立ち上げるには、どうしても外部資金の獲得が必要である。

4)海外研究教育フィールド拠点の形成の実現可能性については、外部資金獲得の有無にかかっていると言わざるをえない。海外研究協力フィールド拠点の対象地域は、1:アフリカ、2:西アジア、3:中央・北アジア、4:南アジア、5:南米である。平成17年?18年の最初の2年間は、アジアに焦点を絞り込み、海外研究協力フィールド拠点を形成する。2:西アジア地域では、シリアの国連機関・乾燥地農業研究センター(ICARDA)(http://www.icarda.org/)をカウンターパートに「乾燥地帯における過放牧と植林活動の問題性」プロジェクトを、3:中央・北アジアでは、学術交流協定締結大学であるモンゴル国立農業大学(「データ、資料等」1)をカウンターパートに「モンゴル伝統家畜管理技術・遊牧に関わる博」館整備」プロジェクト、4:南アジア地域は同じく学術交流協定締結大学であるベトナムのフエ大学をカウンターパートとしてプロジェクトを立ち上げる。それ以外の地域、つまり、1:アフリカと5:南米は、平成19年度以降に、平成17年?18年のアジアでの拠点作りの反省と成果とを踏まえて、展開する戦略を立てている。

海外研究協力フィールド拠点形成の進捗状況により、学生派遣の不具合が生じる場合には、JICAが海外でおこなっている国際協力プロジェクトの現場に「国際畜産協力ユニット」の学生を派遣し、実地訓練に当たらせる。ここに帯広畜産大学とJICAとが、畜産分野における国際協力に資する人材の育成と開発途上国への国際貢献を目的として、連携協力協定を締結した意義と意味とがある(「データ、資料等」2)。更に、それぞれの教員が行っている海外調査に同行させ、教員の研究活動を補助することを通して、学生に海外で国際協力に携わらせることも可能である。

「国際畜産協力ユニット」では、国際協力の海外実践に関わる単位「国際協力海外研究」を必修としている以上、帯広畜産大学として当該教育を必ず執行する義務がある。いずれにしても、現代的教育ニーズ取組支援プログラムの採択が本事業の進展に及ぼす影響は極めて大きいと言わざるをえない。


帯広畜産大学の国際協力分野での今後の展開

 

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