研究内容 Research Themes

 世界三大感染症の1つであるマラリア(熱帯熱マラリア、ローデントマラリア)と人獣共通感染症として地球規模で問題となっているトキソプラズマ症、クリプトスポリジウム症を研究対象とし、「如何にして病原微生物は宿主細胞に感染し、増殖するのか」という命題について、主に分子生物学、ウイルス学の手法をもってアプローチしています。さらに、ここで得られた知見を基にした新しい抗原虫薬、原虫ワクチンの開発等の実用的な研究課題にも取り組んでいます。

熱帯熱マラリア原虫 
(ギムザ染色像) 
トキソプラズマ原虫の滑走運動
(Sugi T et al. Eukaryot Cell. 9:667-670.) 
クリプトスポリジウム原虫のオーシスト

主な研究課題

原虫の複雑な感染環(ライフサイクル)
  • 原虫の宿主細胞侵入機構の解明
  •  アピコンプレックス門に属する原虫は宿主細胞に侵入(感染)する際に、虫体と宿主細胞との間にmoving junctionと呼ばれる構造物を形成し、glideosomeと呼ばれる動力装置を使って侵入するモデルが提唱されています。この原虫の宿主細胞侵入の分子メカニズムの解明を行っています。

  • 原虫のライフサイクルにおける原虫酵素の役割の解明
  •  原虫は他の生物種には見られない複雑なライフサイクルを持っています。この複雑なライフサイクルの維持・移行を制御している分子の1つが、原虫の持つ酵素です。これらの酵素の中でも特に原虫プロテインキナーゼに注目し、その役割の解析と薬剤ターゲットとしての可能性について検討しています。

  • 原虫の感染レセプターの同定
  •  我々が確立に成功したウイルスベクターを用いた原虫感染レセプター同定系等を駆使して、レセプターの同定を行っています。特に我々が同定した糖鎖レセプターの知見を基にして、抗原虫薬として糖鎖薬の実用化に向けた研究を進めています。

  • 原虫のエピジェネティクス機構の解明
  •  原虫のヒストン修飾のエピジェネティック機構の解明とその応用技術の開発を行っています。