Cell Unit
 コムギやオオムギ、エンバクといった麦類は、1万年前の西アジアに栽培起源をもつ歴史の中で人類の主要食用穀類として改良され、現在では世界でイネやトウモロコシを上回る栽培面積、生産量をもっています。世界人口の継続的増加のなか、これら麦類の生産能力向上が強く望まれています。麦類の中で最も生産量の多いコムギは人類の直接の食料ですが、病害を被ったものは規格外として通常の流通ルートから外れ、飼料用にまわされます。またオオムギ,エンバクはその生産の大部分が高エネルギー家畜飼料として肉乳に変換され利用されています。これら麦類の重大な病害として赤かび病があります。赤かび病はフザリウム菌(Fusarium属の数種の糸状菌)が開花後の穂に感染し、デオキシニバレノール(DON)やニバレノール(NIV)といった人畜に有害なマイコトキシンを産生します。近年の世界的な異常気象が原因で、従来発生がなかった地域でも大きな問題となり、2001年に開催されたFAO/WHO合同専門家会議においてヒトに対するDONの毒性評価が行われ、暫定基準値が設定されています。しかし、家畜飼料としてみた時のDONやNIVについて基準がなく、対策として赤かび病防除に主眼を置いた化学薬剤によるマイコトキシンの産生制御が図られています。そのため薬剤散布による人畜への健康被害も懸念されます。本セルユニットでは、安全な家畜飼料用麦類の持続的生産を目指して、わが国のみならず、家畜生産と麦類の栽培が融合しているアジアのフィールド調査を通じて、麦類ゲノムのもつ赤かび病抵抗性遺伝子源を探索し耐病性育種に活用することと共生微生物を感染症制圧のための生物学的防除リソースとして応用するための開発研究を推進します。
The Sustainable Forage Triticeae Production Cell Unit is focusing on the research about genetic resources for resistance to scab in wheat and barley and biological control of the disease in order to production of animal feed with safety.
・小池 正徳 Masanori Koike
・加藤 清明 Kiyoaki Katou
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