ようこそ門平研究室へ
Africa Veterinary Epidemiology Veterinary Communication

獣医疫学/Veterinary Epidemiology


拡大 PDF 920KB

 

COEセミナーの報告

 10月11日(火)午後1時より帯広畜産大学原虫病センターのP/Kホールにて、COEセミナーを開催しました。講師は、スイス連邦獣医局・疫学部長のカタリナ・スターク博士で、セミナーのタイトルは「スイスの乳牛におけるNEOSPORA CANINUM感染症の疫学とその経済学的損失」でした。

 

 疫学モデルと経済学モデルを駆使しながら、牛のネオスポラ病を例に、さまざまな視点から疾病予防コントロール方法についての議論をしていただきました。(1)test&culling(陽性牛の淘汰) (2) stop breeding(陽性牛の繁殖使用からの排除) (3) medication(治療) (4) vaccination(ワクチン接種)の4つのコントロール方法がこの事例では使われています。現在スイスにおけるネオスポラ病の有病率が12%で、血清テスト陽性牛を淘汰することで数年間にこの有病率を1%以下までに下げることができますが、経済学的には利益が少ないことがわかりました。5年間の短期間と25年という長期間の視点から分析した場合にはどのような違いがでるのか、動物の福祉や生産者の立場からもその手法を評価することも重要であり、どの方法が一番国策としてふさわしいのか、最終決定を行うためには多くの実験と調査が必要です。15年間実施してきた、ある疾病の予防方法が実は費用ばかりかかり実益が少なかったという事例がスイスでもあったそうで、疫学・経済学モデルの両方を十分に活用することの有効性が見直されています。

 

 日本国内での疾病コントール戦略はどうかというと、上記のような疫学的アプローチの応用例は少ないようです。スイスの事例を学ぶことにより、その活用効果について再認識することができました。英語を使ったセミナーでしたので留学生も多数参加し、教員、大学院生なども含めると総数38名が集い、スターク博士と活発な意見交換ができました。

講演するスターク博士

 

質問に答えるスターク博士と司会の門平

このセミナーの告知文はこちら

 アフリカ  獣医疫学  獣医コミュニケーション  プロフィール  研究室メンバー  お問い合わせ
 Copyrighted by Kadohira's laboratory, All rights reserved, 2005