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獣医疫学/Veterinary Epidemiology



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獣医疫学セミナーの報告

1月31日(木)午後4時半より帯広畜産大学大講義室にて、獣医疫学セミナーを開催しました。講師は、独立行政法人農林水産消費安全技術センター理事の杉浦 勝明 氏で 「日本におけるBSE発生の疫学モデル」と題してお話をしていただきました。

 

講演要旨は次のとおりです。

 牛海綿状脳症(BSE)は、潜伏期間が2〜8年(平均5年)と長い上、感染牛は潜伏期間の末期(発症の3〜12ヶ月前)にBSE病原体が蓄積した脳幹部の材料を使わないと現在の診断法では摘発できないとの特徴がある。このため、BSEの発生頭数は、感染頭数だけでなく、と殺月齢(死亡月齢)、サーベイランスの方法により影響を受ける。2001年9月に日本で最初のBSE感染牛が確認されて以降、BSEサーベイランスが強化され、2004年末までに約12万頭の死亡牛と約400万頭の健康牛がBSEの検査を受けた。その結果、さらに13頭の感染牛が確認された。これら計14頭の感染牛のうち12頭が乳牛群で確認された。日本におけるBSE の発生の大部分を占める乳牛群に着目し、2004年末までにサーベイランスにより得られた検査結果のデータ、個体識別制度により得られたと畜月齢分布のデータ、英国での発生をもとに推定された発症月齢分布のデータ等を用いて1992年から2001年の各年に生まれたコホート牛群の有病率(各出生コホートの全頭数に占める感染牛頭数の割合)を推定した。有病率の推定に当たっては、ベイズの定理を用いた。また、推定した有病率を用いて、1992年又は1995年にわが国にBSE が侵入したと仮定して、モンテカルロ・シミュレーションを用いて、過去に淘汰されたBSE感染牛の頭数及びそのうち食用にと畜されたBSE感染牛の頭数を推定するとともに、今後の発生予測を試みた。その結果、1995年にBSE が侵入したとの仮定の下では、2001年末までに225頭(95%信頼区間:111〜905頭)の感染牛が淘汰され、そのうち116頭(56〜219頭)頭が食用に供されたことが推定された。一方、1992年にBSE が侵入したとの仮定の下では、2001年末までに905頭(366〜4633頭)の感染牛が淘汰され、そのうち694頭(190〜2473頭)頭が食用に供されたことが推定された。また、2002年以降の出生コホートについてはBSE に感染していないことを前提に2005年以降の発生を予測すると、2008年までに18頭(3〜111頭)の感染牛が摘発され、2013年(2008〜2015年)までには感染牛が存在しなくなると予測された。発生頭数の不確実性については、主に2001年出生コホートの有病率の不確実性に起因しており、2005年以降のサーベイランスのデータが蓄積されれば、より精度の高い発生予測が可能となる。

 

 本学教員、大学院生、学部生、そして、外部からは、留萌および十勝の家畜保健所、中札内家畜自衛防疫組合、根室農協、別海町役場の職員の方々にもご出席していただき、総数43名が集いました。本学で統計学を担当する姜先生からは沢山の質問が出されました。


講演される杉浦理事

セミナータイトルと杉浦理事

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