1月30日(火)午前10時半より、本学原虫病センターPKホールにて獣医疫学セミナーを開催しました。講師は、本学と学術交流協定を結んでいるオーストラリア・クイーンズランド大学獣医学部のジョン・モートン先生でした。酪農業が行われている比較的雨量の多いオーストラリアの9つの州で、約3万頭の牛を対象として実施したInCalfプロジェクトの成果を中心にお話していただきました。このプロジェクトは「少ない労働量でより多くの牛から搾乳し、かつ繁殖成績も向上させるにはどうしたらよいか」という酪農家グループの疑問から始まったそうです。研究の目的は、1)農家の利益につながる指標を使い繁殖成績を表す(記述疫学)、2)繁殖成績と関連するもっとも重要な危険因子を見つけ出す(分析疫学)、3)これらの結果を農家に実践してもらいモニターする(介入疫学)ことでした。結果としては、1)従来使われている指標である空胎日数や分娩間隔より、100日と200日での受胎率がより正確に繁殖能力を表すことができ、2)Population attributable risk (集団寄与リスク)により重要度を比較したところ、受精開始月日から分娩までの期間が短いことと発情発見が一番重要な要因であり、3)普及のための冊子を酪農家に配布し、モニタリングを開始するという状況であるようです。牛は昼夜野外にいて牛舎はなく、季節繁殖を実践している農家も多いそうです。生産者レベルでの牛乳の値段が日本の半分のオーストラリアでは牛の頭数を増やすことで収入増を行っているとのことですが、ローンなど借金の返済に追われている農家も多いそうで、北海道と類似した問題を抱えていることも知りました。大学院の学生を中心に教員も含めて30数名の参加があり、活発な意見交換がなされました。
詳細にわたる資料が必要な方は以下のアドレスまでアクセスしてください。
www.incalf.com.au あるいは
モートン先生の博士論文: http://eprints.unimelb.edu.au/

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