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Africa Veterinary Epidemiology Veterinary Communication

獣医コミュニケーション/Veterinary Communication

 

Jane Shaw先生との問答(2009年3月実施)

 彼女の大学での仕事内容:教育40%、研究25%、サービス(普及、病院でのカウンセリングなど)20%。残り15%は?確認するのを忘れてしまった。(Shaw先生の紹介はこちら)日本から毎年、カワサキ先生という開業医の方がやってくるとか。Argus Instituteというジェーンさんが所長をしている施設は、大学家畜病院、小動物部門の待合室にドアが大きく開かれている。この施設内でカウンセリングをするのではなく、担当者が待合室に出て行って、畜主と話をしている光景が見られた。病院内を歩いていて、どこからもArgus Instituteに入室できるという仕組みが構築されているような印象を受けた。ペットのホスピス・プログラムも始まったという。

 教育カリキュラムに「獣医コミュニケーション学」組み込まれているというだけでは不十分。大学組織、とくに運営陣や同僚の理解と協力が不可欠(すべての獣医教育関係者は、最低2時間のコミュニケーション講義を受けることが義務付けられている)。よって、独立した研究センターにならないほうがよい。また、大学内外の臨床家など、多くの分野の専門家との協働作業が必要であるので、協力体制を構築することが重要。開業者のためには、獣医コミュニケーションを指導するプロのコンサルタントがいて、コミュニケーションだけではなく、経理、会計、チームワーク、どのペットフードがよく売れたのかなど販売戦略なども含めた総合的な指導をしている。

 コロラド州立大学の獣医学生定員は1学年135名。必須講義は、3年次に受ける(シラバス添付)。1回25人で20時間(1週間)、8時間は実験・体験学習、12時間が講義。この実験・体験学習であるが、simulated畜主 という言葉が使われている。演劇経験のある、医学部の学生やペットナースが畜主の役を演じ学生と対応する方法が使われる。医学部との連携が重要とのことであった。単なるロールプレイでは、演技が大げさになったりと、不自然な部分もあり真剣になれないが、このやり方であると自然に現実の場を設定できる。4年生は選択。5人のグループで、40時間(1セット1週間)。6週間継続されるコースなので、30名の学生が履修できる。大学の家畜病院に来院してきた本当の畜主に対応。カウンセラーが一緒に付き添う。毎年、必須講義に参加した数名の学生は違和感を感じ、抵抗している様子だが、数回実践するうちに、訓練の重要性に気づくという。コロラド州立大学の卒業生は評判がよい。80年代から獣医コミュニケーションの訓練を受けているので、職場でチームとして仕事ができ、畜主の話が聞けるから。

 全米のすべての獣医大学で何らかのコミュニケーションに関する講義は行われている。7〜8割の学生はBayer モジュール(ビデオ、2時間×12回)を使っている。NDKと類似しているかもしれないが、ICCVM(国際獣医コミュニケーション学会)や大学レベルの集団などではMLを使い、獣医コミュニケーション関連の情報や意見を交換している。しかし、対象動物は小動物であろう(わたしの推測)。チームワーク構築の教育も受けているので、動物の種類には関係なく、畜主との話し方訓練などについての議論は当然、行われていると考える。農家だけを対象としているという点では、NDKはユニークな集団かもしれない。

 どんな訓練を受けたヒトが獣医コミュニケーションを教えたらよいかという質問への回答:ソーシャルワーカーの方が多い。ジェーンさん自身は特別の訓練は受けていないとのこと。FRANKというワークショップ(中森さんが記載されている、構成的グループエンカウンターのこと?)が年2回、卒後訓練コースとして、開催されている。

推薦図書

教員用:Silverman, Kurtz, Draper (2005) Teaching and Learning communication in Medicine, Radcliffe Medical Press.

学生用:Kurtz, Silverman, Draper (2005) Skills for communicating with patients. Radcliffe Medical Press. (シラバスに詳細な情報あり)

 

3年次学生用講義のシラバス
VM786 JUNIOR PRACTICUM CLINICAL COMMUNICATION SKILLS (Fall 2007)

 

 

 

 

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