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Africa Veterinary Epidemiology Veterinary Communication

獣医疫学/Veterinary Epidemiology

 

 

 北海道足寄町の放牧酪農に関する
 平成18年度成果報告書作成しました。


興味のある方は門平までご連絡ください。

 

集約放牧酪農家における搾乳牛舎内での乳牛の排泄行動の傾向と
それに影響を与える要因に関する研究

井上 和美

【目的】放牧を行っている酪農家にとって、搾乳牛舎内における乳牛の排泄行動は搾乳作業の衛生面に支障をきたし、畜主の糞尿処理作業量を増加させる。さらに、排泄物が土に還って牧草の栄養となるような有効活用もできないので、可能な限り避けたいものである。本研究では、集約放牧を行う酪農家において搾乳牛舎内での排泄行動パターンを調べ、排泄の誘発・抑制に関係している要因を探し出し、牛舎内における排泄行為を減少させるための方法を検討した。【方法】北海道足寄町の酪農家3軒において集約放牧されている乳牛を対象に、朝の搾乳時における牛舎内での排泄行動を観察し、時刻・耳標番号・排糞か排尿か・搾乳前か後かの記録を行った。また、放牧地ではBCSと牛の汚れの程度を測定し、畜主に対して放牧に関する質問および牛の性格について意見を聞いた。牧場毎の排泄頻度や排泄行動の搾乳前後を比較し、排糞の傾向とBCS・牛の汚れの程度・性格・年齢・産次数との関連性を探った。【結果】排泄頻度には牧場間で差があり、特に高い数値を示した牧場では搾乳後、牛の牛舎退出時に棒を持って追いかけるという光景が見られたので、人が牛に与える不快な刺激が排泄の誘発につながっているのではないかと思われる。また、排糞行動においては観察時間の後半である開始50分以降に集中しており、搾乳済みの牛がほとんどであった。さらに畜主があげた牛の性格としては、排糞の多かった牛では悪い点が、逆に排糞が全く見られなかった牛については良い点が多く聞かれた。以上のことから、搾乳時における牛舎滞在時間をできるだけ短くし、牛への対応を良くすることが搾乳牛舎内での排泄行為の減少に結びつくことが期待される。


放牧酪農における畜主と乳牛の関係−逃走距離を用いた、ヒトがウシに及ぼす影響の研究

門田真由子

【目的】近年ヒトと動物の関係が注目されており、畜産分野においては、家畜がヒトに対して恐怖を抱くことが家畜福祉の概念に反し、その生産性を低下させるという。一方で、ヒトに対してまったく恐怖を持たない家畜はその取扱いにおける作業能率を低下させる。本研究では、ウシとヒトの親密度合の指標となる逃走距離に注目し、ヒトのウシに対する扱い方や考え方がウシに及ぼす影響について調べ、理想的なヒト(畜主)とウシの関係について考察した。【方法】2006年6月から10月の5ヶ月間にわたり、北海道足寄郡足寄町において放牧酪農を営む3牧場を毎月1回、全5回ずつ訪問し調査を行った。(1)逃走距離の測定;放牧時、ウシの側方より約1m/秒の速さで接近し、0.5m単位で記録した。測定時は毎回青の帽子と青のオーバーオールを着用した。(2)ミルカー取付け時の反応の観察;朝の搾乳時において、ミルカーを乳房に装着する際のウシの反応を、ウシの後肢の動きによって4段階に評価した。(3)畜主へのアンケートの実施;「畜主にとって扱いやすいウシ」の性癖について、また、「ウシを扱いやすくするために気をつけていること」についてのアンケートに、畜主それぞれに回答してもらった。【結果】逃走距離と産次・獣医による診療回数・ミルカー取付け時の反応との間に相関関係は見られなかったが、逃走距離は気象条件に大きく影響を受けているようであった。ミルカー取り付け時の反応は全体的に少なかったが、飼養条件・搾乳方法やウシの状態によっても左右されていた。アンケートより、「理想の扱いやすいウシ」についての考え方は畜主によって異なっていた。また、アンケートからわかる畜主のウシに対する扱い方・考え方は逃走距離・ミルカー取付け時の反応に反映されており、確かに畜主のウシに対する扱い方・考え方がウシに様々な影響を及ぼしていた。

 

 
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