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Africa Veterinary Epidemiology Veterinary Communication

獣医疫学/Veterinary Epidemiology

 

 

 平成26年度卒業論文集を作成しました。


興味のある方は門平までご連絡ください。

 

牛の搾乳体験が学生の心理に与える影響

石村 駿宙

近年、アニマルセラピーという言葉が頻繁に聞かれるようになり、動物の持つ人に対する癒し効果が注目を集めている。我が国においても、犬や猫などの伴侶動物をはじめ、馬やイルカを使った、アニマルセラピーが行われている。しかし、家畜である牛、豚や羊などを使ったAnimal Assisted Activity(AAA:動物との触れ合いによる対象者の情緒的安定や教育的効果、レクリエーションを目的とした動物介在活動)に関する研究報告は少ない。そこで本研究では、牛の搾乳体験に注目し、搾乳体験がAAAとして有効であるかどうか調べることが目的である。本校で行われている全学農畜産実習の1つである搾乳実習の前後に、1年生249名を対象に「一時的気分尺度」方法を使い、緊張・抑うつ・怒り・混乱・疲労・活気の6つの感情の変化を測定した。不備のなかった198名の学生のデータを用いた。搾乳実習後の、緊張・抑うつ・怒り・混乱の、4つの平均点は有意に減少したが、活気は上昇した(p<0.05)。一方、大学入学後に搾乳バイトなどで搾乳を継続して行っていた学生(n=16)においては、緊張・抑うつ・混乱の3つの尺度において有意な減少が観察できた(p<0.05)。牛の搾乳体験が、学生の短期間の心理や感情によい影響を与えるということが確認でき、牛の搾乳体験はAAAとして有効であると考える。しかし、搾乳体験を反復する時期がAAAの効果を左右する可能性が示唆されたため、長期的な搾乳体験が対象者に及ぼす影響も調べる必要があるだろう。

 

十勝に生息しているアライグマの食性調査

古市 千

アライグマは1980年代にペットとして輸入され、その後、捨てられたり、逃走した個体に端を発し、全国的に生息域が広まった。北海道では道央部を中心に数が増え、平成26年度3月の時点では146市町村でアライグマが目撃されている。また、平成24年度には6,313頭が捕獲された。十勝地方は道央に比べるとアライグマの生息数は少ないが、近年少しずつ増加傾向にある。本研究の目的は、十勝地方に生息しているアライグマの胃内容物を調べ、何を食べているのか、アライグマの食性を明らかにすることである。2013年3月から2014年6月(11月から2月は除く)までに十勝地方で事故死しているものや市町村によって捕獲された19頭(雄9、雌10)のアライグマの胃内容物を使用した。植物質ではトウモロコシが一番多く(52.6%)、次に家畜飼料(10.5%)であった。一方、動物質では、虫(26.3%)とカエル(10.5%)の出現頻度が高かった。出現頻度における雌雄の違いは見られなかったが、化学繊維と石が雌の1個体より検出された。トウモロコシや家畜飼料が多く出てきたことから、アライグマが畜舎や畑を利用している可能性が推測できる。近年、アライグマによる農業被害が重大な問題となっているので、食性などの、アライグマの生態に関する正しい情報を入手することで、より効果的な対策が設計できるかもしれない。また、それらの情報を住民へ普及し、危機感を募らせ、住民の意識が高まることで、農業被害を食い止める方策の効果的実践につながると考える。

 

動物愛護団体に寄せられた相談内容から見るペットの遺棄問題

松尾 涼香

遺棄されたペットの保護・譲渡、募金活動、命の大切さを伝える啓蒙活動など、殺処分減少に向けたさまざまな取り組みが行われている。しかし、どのような要因が遺棄につながるのか、また、どのような情報や支援方法が殺処分数減少に効果的であるのかについてはあまり調査されていない。本研究の目的は、動物愛護団体に寄せられた相談内容を調査し、ペットの遺棄につながりうる要因とその問題解決に有効であった支援方法を明らかにすることである。遺棄に繋がりうる要因は、転居・病気などの飼育者側の問題と、咬み癖・吠え癖などのペット側の、2つに大きく分けられたが、飼育者側の問題の方がはるかに多かった。飼育者が動物愛護団体に相談することにより、約5割が飼育を継続することになったり、里親探しを手伝っていただいたりと、遺棄をやめることができた。飼育者からの相談への各団体の対応は、カウンセリングに近いものであった。これらの結果から、動物愛護団体などの相談場所に関する情報が普及し、飼育者がペットに関する悩みを聞いてもらえる環境が存在することで、ペットの遺棄を防ぐことができるのではないかと考える。また今回の調査から、相談場所により規模、方針、行えるサポートが大分異なることが分かった。そのため、相談場所に関する住所や連絡先だけの単純な情報だけでなく、団体の活動方針や主な活動内容、支援例などの情報も広く発信していくことが重要であると考える。

 
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