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Africa Veterinary Epidemiology Veterinary Communication

獣医疫学/Veterinary Epidemiology

 

 

北海道のグリーンツーリズムと乳牛とBCS
平成22年度成果報告書作成しました。


興味のある方は門平までご連絡ください。

 

北海道におけるグリーン ・ ツーリズム活動の未来
−長沼町と別海町を事例に−

吉川裕佳理

農産物価格の下落など経営状態が厳しい時代において、農業所得だけで生き残るためには、個性のある農業形態を産み出すことが重要である。
「グリーン・ツーリズム活動」は、その現状を打破するための有効な手段となりうる。本研究の目的は、北海道の長沼町(都市近郊地域)と別海町(都市から離れた地域)を事例に、北海道におけるグリーン・ツーリズム活動の未来について考察することである。
長沼町のグリーン・ツーリズム実践農家 52 戸と、別海町の実践農家5 戸に、グリーン・ツーリズム活動の良い点、改善点と可能性について、また、長沼町において、グリーン・ツーリズム活動に参加した 3 校の高校生に、グリーン・ツーリズム活動の現状について、質問票と口頭による調査を実施した。調査期間は長沼町が 2010 年 8 月 31 日から 9 月16 日で、別海町が 2010 年 9 月 20 日から 29 日であった。
良い点については、実践農家は、癒しや楽しみ(27%)、消費者との交流(21%)、元気がもらえること(21%)、また、高校生は、楽しかった(53%)、ごはんがおいしかった(27%)、健康的な生活ができた(7%)などの意見を述べた。改善点としては、実践農家から、組織運営の見直し(52%)と後継者の育成(16%)が、高校生からは、宣伝方法の改善(77%)が挙げられた。また、地産地消(43%)、農産物の流通ルートの拡大(22%)や北海道全体での活動に発展する(7%)などが未来の可能性として発言された。これらの調査結果より、組織運営の見直しにより活動実践農家の共通理解を高めることで、グリーン・ツーリズム活動の質を向上し、農業職業者の意欲増進につながる可能性が示唆された。また、活動により所得が得られれば、後継者や新規者にとっての魅力となる。グリーン・ツーリズム活動を知らなかった参加者が 9 割を超えるという結果であったが、今後、宣伝方法の見直しを図れば、活動実践者と参加者を増やすことは可能である。よって、グリーン・ツーリズム活動は個性のある農業形態を産み出し、農産物の流通ルートの拡大など北海道農業の明るい未来につながると考える。

 

BCS による分娩後乳牛の負のエネルギーバランス状態の推定

廣瀬 純子

帯広畜産大学畜産フィールド科学センター(FSC)で2008年3月から2010年12月までに分娩し、かつ、クロースアップ(CU)期にある分娩前(分娩10日前以内)に代謝プロファイルテスト(MPT)が実施された62頭の乳牛を対象に、CU期のBCSと、分娩後(平均25日後)にかけてのBCS変化(△BCS)から、分娩後の乳牛のNEB状態を推定する目的で、分娩後のMPT測定値と分娩前後のMPT値の変化、分娩後 1 回目(1)と 2 回目(2)の乳検データと、2 回目までの変化(△)との間で回帰分析を行った。
さらに、CU の BCS が 3.75 以上の 15 頭をケース 1、3.5 以下の 47頭をコントロール1、△BCSが-0.5以上の34頭をケース2、-0.25以下の28頭をコントロール2として分類し、回帰分析と同様の項目でStudentのt検定を行った。分娩後1年以内の周産期病の発生状況については疾病記録に基づいて調査し、各ケース・コントロール間でχ2検定を実施し、発生割合を比較した。その結果、回帰分析により、CUの
BCSとは産次・乳量(2)・血清総グロブリン(T-glob)・γグルタミントランスペプチターゼ(γGTP)、△BCSとは乳量(1)・FCM(1)・△ FCM・γ GTP において有意な関連が認められた。そのため、酪農家レベルではBCSに加え産次や分娩後の乳量などの容易にわかる情報から分娩後の早い段階で著しいNEB状態に陥るリスクを推測可能であると考えられた。周産期病発生状況については代謝病では有意差がみられなかったが、ケース1では乳脂肪率(1)・T-globが高く、乳量・P/F
比・MUN(2)が低く、かつNEFAの増加があった。ケース2では乳量(1)・MUN(1)・BUN が低く、分娩前後で ALB の低下と CK の増加がみられ、ケース1・2でともに分娩後の代謝状態が異常でNEB傾向にあることが推定された。従って、酪農家レベルではCUでBCSが3.75以上、または△BCSが-0.5以上であるということと、産次の低さや乳量(1)の低さを指標に、分娩個体のNEB状態を推定可能であると考
えられ、乾乳中のBCSは3.5以下で、分娩前後で-0.5以上変動させないことを念頭に管理すべきであると示唆された。

 
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