帯広畜産大学

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障害者乗馬ヘルパー(ボランティア)講習会

障害者乗馬ヘルパーの講習会が5月29日,30日の両日,帯広畜産大学の馬場を中心に開催されました。そのときの模様をお伝えします。

講師は,横浜を中心に障害者乗馬の活動を展開しているRDA(Riding for the Disabled Association) Japan専務理事でインストラクターの太田さん,理事でインストラクターの菊池さん,事務局長の長谷川さんです。
畜大からは畜産科学科の柏村教授,古村助教授,そのほか馬術部のみなさんが協力しています。

講習会では,はじめに地域共同研究センターで,障害者乗馬の目的と日本での現状,外国での現状などについて講義を受けた後,馬場に移動して実際に馬を使った実習を行いました。

講義では,障害者乗馬の目的が,障害者のクオリティオブライフ(QOL)を向上させることであること,国によって目的の重点が,乗馬そのものを楽しむことであったり,より治療に重きをおく場合があったりまちまちであるけれど,治療としての障害者乗馬では効果の見極めが大事であることなど,非常に興味深いお話が聞かれました。

足が不自由で車椅子で生活されている人も,馬に乗ることによって浜辺や森の中など普段はゆけないところにも自分の意志で入っていけるようになります。いままで歩いたことのない人が,歩くことを疑似体験できるのだそうです。
これは単に移動できる,ということだけではなく,馬の歩行リズムが人間の歩行リズムに近いため,本当に自分の足で歩いているような刺激が体に伝わるのだそうです。古村先生によると,いままで歩いたことのない人が乗馬のあと歩こうとしたことがあったそうです。

馬場に移って馬を使った体験実習の模様です。3人くらいが一組になって障害者の乗馬を支援するので,しっかりとしたチームプレーがとられていることが大事です。必ず障害者の両側にボランティアがたちます。

馬は背が高いので,チームを組む人はなるべく身長差のない人どうしが組むこと,また落馬しそうになったときの支え方,馬から下ろすときの支え方など,実践的なお話が聞かれました。

講習では参加者が障害者の立場になって乗馬を体験します。 右の写真は,両腕を馬の尻と首の付け根につけることによって馬のからだの揺れが騎乗者の体に伝わり,ストレッチの効果があることを体験しているところです。

障害者乗馬による治療というと,馬と接することによる精神的な「癒し」が注目されがちですが,障害者の身体機能の回復という理学的な効果も重要な目的であることがよくわかります。

障害者の乗馬をうまく支援するためには,障害者の気持ちを良く理解することが重要です。右の写真は,アイマスクをかけているところです。このとき太田さんは馬の動きの指示を声ではなく手でおこなっていましたが,こうすることによって馬に乗った人は目と耳が不自由な人の気持ちを体験することができます。

馬に乗り慣れていない人はもちろん,馬術部の学生でも,自分の体がおいて行かれる感じがするんだそうです。

2日目は,実際に障害のある方にも参加してもらってより実践的な講習を行いました。

こうした講習を繰り返すことによって,障害者乗馬が帯広,十勝でも徐々に広がってゆくのではないかと思います。障害者の生活の質(クオリティオブライフ)向上のために,帯広畜産大学としても,十勝という地の利を最大に生かした支援活動をおこなってゆくことが重要であると思われました。

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